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獣たちの熱い眠り

The Hidden Trail of The Beasts

1981(昭和56年)/9/12公開 111分 カラー ビスタ 映倫番号:10420 
配給:東映 製作:徳間書店 / 東映

勝目梓原作の同名小説を村川透監督で映画化したハードボイルド巨編。三浦友和が青春スター路線からの転換を図った記念碑的作品である。

獣たちの熱い眠り
(C)徳間書店・東映

ストーリー

親友のテニスクラブオーナー中田の依頼で、長崎の新設クラブのコート開きに顔を出した人気絶頂のプロ・テニスプレーヤー三村浩司は、その夜かなり酩酊して、誘われるまま鳥飼陽子の店で同席したジューンという女を抱いた。帰京した三村を見知らぬ客が待ち受けていた。岸井と名乗るその男は、三村とジューンの情事の写真を突き出し、示談金3000万円を支払えと脅迫する。だが、約束の日、岸井と会った三村は、怒りにまかせて鉄拳をふるい、100万円の小切手を叩きつけた。たちまち週刊誌に書きたてられるスキャンダル記事。人気プレイヤーにとって致命的なダメージ。しかもプレーヤーの資格停止。怒りに燃えた三村は、法律によるナマぬるい解決法を蹴って、自らの力による決着をめざし、事の発端の地である長崎へ飛んだ。ジューンのマンションを訪ねるが、すでに空室。不思議なことに、そのマンションの名義は三村の親友・中田になっていた。中田を詰問する三村。中田は岸井らのグループに脅迫されていたのだ。次に三村は陽子を締めあげてドロを吐かせた。罠を仕掛けた影の人間は、意外にも三村のかつての恋人・清水孝子だという。孝子は新宿のクラブ「ベル」のママに納まっているが、本人はすでに行方をくらましている。三村に捨てられた孝子は、その復讐に命を賭けていたのだ。一方、国会議員・黒柳の筆頭秘書である野々山を中枢とする脅しのプロ・グルドフは、三村の妹・真紀を誘拐し、残金2900万円の支払いを迫る。真紀の行方を追う三村のもとに陽子から電話が入った。三村が約束のホテルに駈けつけると、すでに陽子は何者かに殺されたあと。三村に殺人容疑がかけられ、警察で苛酷な取調べを受ける。完全な敗北だ。かくて脅追金の2900万円は銀行口座に払い込まれた。だが、解放された真紀は、監禁中に強姦されたショックで正気を失っており、ナイフをかざして三村に襲いかかる。三村はすべてを失った。名誉も財産も大事な妹も。あるのは己れの命だけだ。三村の残された道には、ただ強烈な復讐しかなかった…。

獣たちの熱い眠り
(C)徳間書店・東映
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