1983(昭和58年)/12/17公開 103分 カラー ビスタ 映倫番号:11237
配給:東映 製作:東映
義理と人情のしがらみに、命を張りますマネージャー稼業。四角四面なやくざ社会の杓子定規さを思いっきりパロディ仕立てにした小林信彦原作の傑作面白小説の映画化作品。主演は型破りの本音派・横山やすし。溢れ出る人間味はそのままダーク荒巻に相通じるところが多く、まさにはまり役である。共演は、丹波哲郎、杉浦直樹、伊東四郎ほか。
「須磨組はどこ行ったんじゃい。」3年振りに出所した須磨組の功労者ダーク荒巻を出迎えたのは『唐獅子通信社』なる見慣れない看板であった。組の様相はガラリと一変し、兄貴は専務と呼ばれ、新し物好きのシティ派組長はとんでもないことを考えていた。『唐獅子通信』を発刊してやくざの争いを批判したり、一般市民に高邁な精神を普及させようと理想論をぶち上げ、グラビア撮影では組長自ら六尺褌でグラビアキングとなってご満悦の様子。「これからはビデオの時代よ」と愛娘に言われれば、シティ派組長は『唐獅子ビデオ』製作会社を作り、弟分の原田が監督、ダークが照明マンとなってビデオ撮影を開始するが、現場はハチャメチャ。しかし失敗は成功の元と、さらに組長は『唐獅子芸能社』を旗揚げ。どこから見つけてきたのか新人歌手ひとみを東京のテレビ局主催のスターコンテストに優勝させろ!と厳命が下ったから大変だ。シティ派組長とはいえ親分の命令は絶対服従。秤にかけなくても人情より義理が重たいのだ。ところがこの新人歌手、身体は魅力的だが歌の方が全くダメ、どう見てもスターになれる玉じゃない。ダークは、半ばヤケ気味になって弟分原田と行動を開始する。まず歌のレッスンからデビュー曲、テレビ局と芸能評論家の買収工作へと。そこへ対立するやくざ島田組が絡んできて、上を下へのテンヤワンヤの大騒ぎへと発展していく。