1986(昭和61年)/1/15公開 135分 カラー ビスタ 映倫番号:111931
配給:東映 製作:東映
旅は道づれ、世は情け、油断もスキもありゃしない。
吉田兼好の『徒然草』第38段をヒントに、吉永小百合が“耐える女”からイメージ・チェンジを図り、八代亜紀とのコンビで人情コメディに挑戦した作品。ほぼ全篇が九州・玄海で撮影され、吉永小百合はソープランド嬢に扮するなど体当たりの演技を見せている。
商社社長・駿介の元に嫁いできたゆきは、旅行カバン一つで豪邸を追い出されようとしていた。夫が多額の負債を残して蒸発してしまったからだ。だが北九州生まれのゆきはそんなことではくじけない。再び夫を探し出して夢の続きを見ようと決意する。だがそこへ現れたのが、夫が外で生ませた子・マサルだった。さらに借金取りの女・月代が現れる。ゆきは夫が九州へ行ったことを知り、三人で共に九州へと向かう。若松では同級生で未だにゆきを慕う竹田も仲間に加わった。
土地の顔役・松藤が映画館の立ち退き工作をしていた。ゆきは月代を使って劇場主を騙し、土地の権利書を手に入れる。その後、土地の人情と竹田や月代の友情を感じて権利書を返したものの、結局は劇場主が土地を売ってしまった。ゆきは権利書を買い取った大峯に掛け合うが、そこで駿介と正式に離婚し、マサルを手放すよう迫られる。