1987(昭和62年)/9/5公開 117分 カラー ビスタ 映倫番号:112074
配給:東映 製作:東映 / こぶしプロ
「イタズ」とは東北地方の方言で、“神からの授かりもの”ということで尊んだ「熊」の呼び名である。
人喰い熊と化した母熊を失った仔熊のゴン太は狩人(マタギ)一家の少年に出会い、育てられる。
老マタギと少年とイタズ(熊)の出会いを通して生命の大切さを描いた作品。
昭和3年。老マタギ銀蔵が10年ぶりに戦死した息子の嫁・キミと孫の一平のいる秋田県阿仁村に帰ってきた。生来の気性の激しさからケンカ沙汰を引き起こし、監獄に入っていたのだ。“一発銀蔵”と異名を取るほどの腕を持つ銀蔵だったが、鉱山景気にわく村ではマタギも次々と職を転じて、もはやマタギの時代も過ぎ去ろうとしていた。そのころ、村に片耳の大熊が現れ、老女を襲った。村長は20円の賞金をだすと熊狩りをつのったが、成功するマタギはいない。銀蔵の中でマタギの血が熱く燃え始めた。山へ入って3日、渓谷で遂に片耳の姿を見つけた銀蔵は、村田銃を構えると、狙い違わず一撃で片耳を打ち倒した。その夜、土間で一人酒をあおる銀蔵は、自分がマタギの掟で禁じられている子連れ熊を撃ってしまったことに気がついた。自分で子熊を育てる決心をする銀蔵だったが、一平が進んでその役を引き受け世話をすると言い出した。「爺っちゃ、こいつの名前、ゴン太にすべ」一平と子熊のハラハラドキドキの大冒険の日々が始まったが、成長するにつれてゴン太のイタズラは激しくなる一方。遂に銀蔵はゴン太を自然の山の中に帰す決意を固める。