1990(平成2年)/5/12公開 100分 カラー ビスタ 映倫番号:113086
配給:東映 製作:東映
“今”を生きようとするフリーターたちが軽いノリで掴んでいく男の友情、恋、仕事とドラマチックな青春が爆発する。加藤雅也、本木雅弘、宮崎萬純を中心に個性溢れるパワフルなキャストで描いた青春群像。
雑司ヶ谷の鬼子母神、川越、仙台、角館、そして弘前のねぶたと日本の祭り・縁日を舞台に、そこにうごめく支配者たちに挑んでゆく若者のアクション、笑いと涙に切ない恋の騒動記。
六本木の高級ディスコ。華やかに踊る若者達の間を流して歩く一人の男が謙次だ。謙次の行く所、客のボデイコンギャルの熱い視線と、男達の敵意の目があった。今夜も愛人の美佐を寝取られたと絡む、南原プロモーションの南原を、思わず叩きのめしてしまう。「俺って縛られるのが、大嫌いなんだ」
六本木の黒服生活とも美佐とも別れを告げた謙次は、雑司ヶ谷の鬼子母神へとバイクを走らせた。
ほの暗い境内。縁日の準備をするテキヤ衆、その中に謙次の幼馴染の徹がいるのだ。一本立ちの稼業人になるんだ!と張り切る徹をバカにしながらも、何故か心がなごむ謙次。
その時だった!徹の売のひよこが野良猫に襲われたのだ。大騒ぎの境内。騒ぎが静まった時、三羽のひよこを胸にかかえた白戸奈津子が立っていた。その爽やかな笑顔に釘付けになる謙次と徹。どんな男にも負けはしないが、マブイあの娘にゃからっきし弱い謙次と徹。手当たり次第、他の女に手を出す恋人の演出家に嫌気がさしていた奈津子は、二人の優しさに心が慰められてゆくのだった。
謙次が徹と奈津子とウキウキ青春している頃、南原プロモーションでは東北一円の祭りからテキヤを一掃し、南原のマーケットチェーンを拡大させるというどす黒い計画が着々と進められており、その席には他のテキヤ締め出しのために雇われた奥州神振会代行の吉岡も同席していた。
徹たちが東北へ行くと聞いて、故郷角館を思い出した奈津子は大滝組のキャラバン隊に参加して、東北へと向かった。
仙台。タコ焼きを売る徹。その時、強烈なディスコサウンドが聞こえてきた。ラップ調のDJ。ディスコのノリで踊りだす制服姿のスケ番達。飛ぷように売れるジュースやコーラ。謙次の奴だ!あいつも仙台に来てたんだ!六本木仕込みの華麗なボトルアクションの謙次か?カレータコ焼きと景品作戦の徹か!?火花を散らして競い合う二人。
この売を見込まれて正式に大滝組入りを薦められる謙次だが、掟に縛られるなどとんでもないと断ってしまい、奈津子と二人で角館へと向かう。
角館。夕闇の檜木内川。祭の前夜の期待と切なさが街を包んでいる。土手に座る謙次と奈津子。互いに父親に捨てられた生い立ちを持つ二人。遠く聞こえるお囃子。いつしか、奈津子の肩を抱きしめる謙次だった。
祭りの当日。大滝組潰しをもくろむ吉岡が謙次に近づいてきた。売り上げの七分取りの甘い言葉に、つい乗ってしまった謙次。徹ばかりか、とうとう奈津子にまで裏切り者呼ばわりされてしまう。.「自分らしく、自由にしているだけなのに…」誰にも理解してもらえない謙次は、一人寂しく故郷弘前へ向かった。
弘前。市内のホテルでは、ねぷたを明日にひかえ、南原と吉岡、そして奥州神興会総長八木沢が、大滝組を迎え撃つ手はずを整えていた。
市中に響き渡る、じょっぱり太鼓のリズム。ねぷた祭りの本番だ!〃咬ませ犬〃に仕立てられた謙次が、何も知らず協定破りの超安値で売をしまくったから、さあ大変!怒る大溝組。そんなぁ?!俺は吉岡から言われただけなのに。協定破りは、ぷっ殺されても文句は言えないのだ。
一触即発の大滝組と奥州神興会。徹がやられた。奈津子が人質にとられた。なんて奴らだ。もう後には引けねえ。ねぷた太鼓の熱いリズムの中、奥州神興会に乗り込む謙次。お前らの思う通りにゃさせねえぞ!