1993(平成5年)/8/21公開 125分 カラー ビスタ 映倫番号:114003
配給:東映 製作:東映 / 日本テレビ放送網
「花」「荒城の月」の作曲者の、きら星のごとく輝いた生涯…。
滝廉太郎の代表曲を初め、数々の名曲が感動を呼ぶ珠玉作。風間トオル、鷲尾いさ子の共演。
中野ユキが滝廉太郎に出会ったのは、明治28年の夏。彼が最年少で東京音楽学校へ入学した年だった。廉太郎は、先輩・鈴木との友情を深めながらピアニストを目指し、尋常ならない情熱をピアノに傾けていた。しかし、生来の身体の弱さに無理がたたり、実家である大分県竹田で療養生活をおくることになった。脚光を浴びるユキとは対照的な自分に廉太郎は焦りを感じていた。
やがて復学した廉太郎は、「花」から始まる組歌「四季」を作曲。その才能を前に自らの限界を感じた鈴木は、静岡の父が倒れたこともあり帰郷しなければいけなかった。ユキも廉太郎の才能に自分が及ばないことを思い知り、その反動で一層彼に惹かれていった。そんな時、国費留学生としてユキがドイツに旅立つことに。
ユキがドイツへ発った後、自身の生き方に疑問を感じた廉太郎は静岡の鈴木を訪ね、その旅で持病に苦しみながらも名曲「荒城の月」を作り上げた。その後、廉太郎もドイツへの留学を命じられ、ライプチヒ音楽院へ入学、本場ドイツの教育水準の高さに自分の力を思い知らされる。同じ頃、ベルリンでユキも自分の才能に行き詰っていた。そして、ドイツという異郷で二人は再会。ユキは、長年抱き続けてきた廉太郎への想いを告白するのだが…。