1994(平成6年)/10/1公開 125分 カラー ビスタ 映倫番号:114281
配給:東映 製作:東映
浮くか、沈むか。夜ごと絢爛、女の館。明治という時代の下にめぐり合い、その嵐に揉まれながら、女たちが命をかけたそれぞれの乱。本作は、鶴、志津、照香の三人の女をはじめとする多数の芸子たち、幾多のお茶子たちがそれぞれの業を背負って愛憎露わに激しい火花を散らす姿を描きつくす。
監督は熱い情念を打ち出すダイナミックな演出に定評がある関本郁夫。
その昔、九州熊本に「東雲楼」という遊郭があった。そこは当時、日本有数の廓として栄えた壮麗華美、贅を尽くした女の館。明治20年、5歳の志津と見習い芸者の鶴は姉妹のように親しくなる。それから20年、鶴は東雲楼の女将となり、志津はお茶子頭としてその下で働いていた。志津は土工の執行と所帯を持ちたいと考えていたものの鶴の反対でできずにいた。ある時、鶴のパトロンの相場師・山岡が東雲楼を訪れる。事業に失敗した彼は資金を必要としていた。鶴は彼のために東雲楼を担保に有働組から借金をする。しかし、東雲楼を手に入れたい組長と情婦・照香の陰謀によって山岡は自殺に追い込まれてしまう。東雲楼を有働組に渡すまいと努力する志津。一方で鶴は山岡失脚の原因が志津にあるのではないかと考え出した。揺れに揺れる大遊郭。クライマックスは炎と燃える女たちの大騒乱を招いて“乱美の極致”を迎える。