1996(平成8年)/1/20公開 106分 カラー ビスタ 映倫番号:114640
配給:東映 製作:東映
女二人・・・あの時も、おなじ男を愛した。それでも、私たちは友情を信じていた。
日本を代表する二人の大女優、吉永小百合と岩下志麻が初めての顔合わせで華麗な魅力と演技を競った作品。現代女流文学の世界に、独自の愛を追及する作家・高樹のぶ子の同名小説をベースに女二人の20数年に及ぶ「人生と友情」を描いた感動作。
沢田八重-もとテレビの人気アナウンサーで、引退後はちぎり絵の教師として画塾を開いているが、クローン病という難病を持つゆえに、限りある命を意識せざると得ない。
鳥飼希代子-地方紙の第一線記者として働く活発そのもののキャリアウーマンだが、昔別れた男性との間に一人息子があり、シングルマザーとしての苦悩も秘めている。
この女性2人、かつて日本中が大学紛争に揺れていた頃、そのさなかにあって固い友情に結ばれ、しかも一人の男、学生運動のリーダー淡路を同時に愛していた。淡路は、八重・希代子との愛の関係に悩み、逃げるように姿を消した。残された希代子は八重の励ましを得て、淡路の子を産み育ててきた。
そして、それぞれ40代に達した時、希代子の招きで、八重は同じ地方都市に暮らすころになり、やがて奇しくも二人は昔と同じように、一人の男性を愛するめぐり合わせとなってしまう。その男性は、希代子と同じ新聞社に勤める高尾耕介。
友情以上の何かを漂わせる女ふたりの不思議な感情。そして一人の男に燃やす、それぞれの愛の情念。このことは、八重と希代子にしか判らない。そして、その愛は二人の間の深い秘密。時には一人の男を挟んで、激しく嫉妬しあい、時にはその厚い友情で助け合う。