2000(平成12年)/4/8公開 125分 カラー ビスタ 映倫番号:115725
配給:東映 製作:フジテレビ / 東映 / ROBOT
全国で700万人を動員し、邦画史上第4位の配給収入53億円を記録するなど、社会現象を巻き起こした88年のメガヒット作「踊る大捜査線THEMOVIE」で、ヒットメーカーとして不動の地位を築いた本広克行監督。その注目の最新作は、「踊る~」以降に舞い込んだ数多くの企画の中から、監督自身が惚れ抜き、満を持して贈る銀行強盗エンタテインメント「スペーストラベラーズ」だ。タイトルだけでは想像できない、個性あふれるキャラクター設定、ストーリー展開は、脚本を読んだ出演者を次々と虜にしたほど、刺激と興奮にあふれている。
とある昼下がり、閉店間際のコスモ銀行浜新地支店に、幼なじみの3人組・保(金城)、誠(安藤)、功(池内)が侵入する。5分間で金を奪い逃走するという完璧なはずの彼らの計画は、支店長(大杉)と警備員(ガッツ)が金庫の中に立て篭もるという予想外のトラブルによりあえなく失敗。あっという間に警察に包囲される。 ロビーにいたのは女子行員・相田みどり(深津)、同僚の清水(甲本)、電気屋の倉沢(武野)、離婚寸前の深浦夫妻(筧・鈴木)、クマのぬいぐるみを抱えた謎の男(渡辺)の8名。窮地に陥った3人は彼らを人質に立て篭もる。しかしトラブルはまだ終わっていなかった。自分を捨てて逃げた婚約者(濱田)への怒りに我を忘れたみどりが、功のライフルを奪ってやみくもに撃ちまくり、外のパトカーを炎上させたのだ。驚愕する警察に追い討ちをかけるように防犯カメラが捉えた謎のぬいぐるみ男の正体が、手配中の国際テロリスト・坂巻隼人であることが判明。コスモ銀行強盗立て篭もり事件は、当の強盗が何もしないうちに、たちまち日本を揺るがす未曾有の大事件になってしまう。 あわてふためく警察をテレビで見ていた保は、あるアイディアを思いつく。 この際、犯行グループの人数を多く偽り、強力な犯罪組織に見せかけて警察をさらに混乱させてしまおうというのだ。「今からみんなには、犯人になってもらいます」強盗からの突然の提案に戸惑う人質たち。しかし同時に、日本中が注目する事件の犯人を演じることの、えもいわれぬ興奮と期待が彼らの中に芽生えていた! やがて事件の対策本部長・須藤(中山)のもとへ犯人グループから1本の電話が入る。「俺たちはスペーストラベラーズ。要求は50億だ!」 ハヤブサジェッター、ブラックキャット、ドラゴンアタック・・・人質たちの犯人デビューは警察への自己紹介だ。アイリーンベア、エレクトリックサニー、カールヘンドリックス・・・強盗たちに続いて、受話器に向って多少緊張しながら、96年に一世を風靡したSFアニメ「スペーストラベラーズ」のキャラクターと同じコードネームを名乗って警察を挑発する。最後は高校時代に演劇部だったみどりが、犯人たちに撃たれるシーンを熱演し電話を切る。上々の首尾に互いを称えあう人質たち。いつしかコスモ銀行のロビーを、奇妙な、それでいて確かな充実感が満たしていた。 こうして、日本中を手玉に取ることになる空前絶後の大騒動が幕を開けた!