1947(昭和22年)/9/16公開 82分 モノクロ スタンダード
配給:大映 製作:東横映画
記念すべき東横映画製作第1作。華族に生まれながらも不遇な人生を心強く送った女性の物語。
河野伯爵は妾のお蝶を寵愛し、病気の妻・正子を沼津にある別荘に追いやってしまった。お蝶を母と呼べない滋子と義子の姉妹のうち、滋子は実母を追って家を出てしまう。交番に保護された滋子は親戚の佐藤子爵の家に行くことになった。だが不良華族であった佐藤は滋子を使って伯爵から口止め料をせしめるのだった。滋子を巡って愛憎渦巻く佐藤家で、佐藤子爵は遂に結婚を申し込むが、滋子は彼との生活を恐れ逃げてしまう。沼津の別荘に向かったと見て駆けつけるも滋子は見つからず、佐藤は正子の臨終に立ち会うのだった。その頃、滋子は興行師の岡辰に拾われ旅芸人となっていた。似た境遇だと知った一座の若者・新太郎と励ましあううちに、お互いに愛情が芽生えていく。一方佐藤は自分の行動を後悔し、滋子の行方をずっと追っていた。岡辰の元にいることを突き止めた佐藤だったが、彼から身代金1万円を要求され、居候たちと一座を襲撃し大乱闘を起こす。そのドサクサに、滋子と新太郎は一座から逃げ出し、浅間に住む老画家・田原に拾われていた。だがここで、愛する新一郎こそ、父である河野伯爵と妾お蝶との間に生まれた子供だと知ってしまう…。