1950(昭和25年)/5/20公開 83分 モノクロ スタンダード 映倫番号:208
配給:東京映画配給 製作:太泉映画 / 藝研プロ
美空ひばりをいち早く見出し「のど自慢狂時代」でデビューさせた斎藤寅次郎監督による美空ひばり映画8作目。戦後の世相を色濃く反映させ、引き揚げ母娘のすれ違いを軸に、主人公マリ子(美空ひばり)を取り巻く人々の欲と人情を笑いと風刺を交えて描いた喜劇映画の佳作。
終戦の引き揚げ途中、母とはぐれた少女・マリ子は、同じ引き揚げ者の親切な青年に助けられ、彼の牧場で世話になるが、残された母の手帳に書かれた知人の名前を頼りに、母を尋ね歩く。しかし消息はすかめず、とうとう最後の一人、母の初恋の人・安吉を尋ねるマリ子。お人好しの安吉は不憫に思いマリ子を引き取るが、周りの人々は嫉妬深く金の亡者ばかり。たらい廻しにされたマリ子は孤児収容所に入れられるが、その天性の歌唱力が楽団指揮者に認められ“天才少女歌手出現”と大評判を呼ぶと、マリ子を捨てた人々が一転して親権や興行権を主張し出して大騒動に…。