1950(昭和25年)/6/15公開 108分 モノクロ スタンダード 映倫番号:180
配給:東京映画配給 製作:東横映画
1949年、東大出版部で編集、出版され全日本人を感動させた戦没学生の手記「きけ わだつみのこえ」に盛り込まれた崇高なヒューマニズムを描いた意欲大作。ビルマ・インパール作戦に参加し、泥濘のビルマ戦線に飢えと疲労にさいなまれながら敗走を続ける学徒兵の血の叫びを痛切に抉った戦後初の戦争映画。朝鮮戦争勃発迫る1950年6月に公開されるや大ヒットを記録して“珠玉の反戦映画”との世論を得た名作。
終戦間近のビルマ戦線で牧見習士官と学生時代の恩師・大木二等兵は偶然出会う。二人は奇遇を喜ぶが、それも束の間、迫る連合軍に対し柴山大隊に転進の命令が下る。傷病兵を置き去りにして出発する大隊。残された傷病兵が次々と自決していく中、転進する大隊は、豪雨と連合軍による猛烈な砲撃を浴び、止まない砲撃に全滅を予感した柴山少佐は岸野中尉と逃亡してしまう。寮歌を歌い白旗をかざして硝煙の中を進む兵士たちが轟然たる爆発とともに消えていく地獄絵のような光景の中で、大木は瀕死の牧を抱えて真のモンテーニュの精神を語るのだった…。