1951(昭和26年)/5/18公開 89分 モノクロ スタンダード 映倫番号:438
配給:東映 製作:東映
柔術界から柔道を選び柔以て剛を制し、道義を以て腕力に当る進歩的な矢野と柔術を護る男がここ桔梗ケ原の夕闇に対峙する!
柔道家の矢野正五郎は学習院で英語教師を勤めながら、愛弟子である戸田雄次郎と孤児三太と一緒に、つつましやかに暮らしていた。だが關屋柔山道場の泉専太郎は、矢野が免許試合もなしに免許を取ったことに逆恨みし、また金持ちの島屋長作に連合大道場の建設資金という名目で金を工面してもらおうとしたが断られたことで、島屋と矢野が親しくしていることに怒り、兵介と共に矢野に試合を申し込み追い回した。矢野は無益な争いを好まず試合を避けていたのだが、路上で戦いを挑まれても避けたことで余計に兵介たちの怒りを買い、新聞で無頼漢といわれのない中傷を受けた。矢野の許婚である千鶴の父、清閑寺伯からこのことをなじられ、矢野は学習院を辞職しようとするが、院長はこれを押し留める。千鶴は不治の病床に臥していて、突然容態が急変してしまう。島屋の娘早苗は矢野の宅へ千鶴の急変を報せるのだが、このとき矢野の家まで押しかけた兵介たちが、雄次郎を桔梗ヶ原へ呼び出す。そのことを知った矢野は、臨終の千鶴のことを苦しく思いながらも、雄次郎の危機を救うために桔梗ヶ原に向かうのだった…。