1951(昭和26年)/8/24公開 85分 モノクロ スタンダード 映倫番号:504
配給:東映 製作:東映
軍国の弾圧に打ちひしがれた若き一高生の痛恨、陰謀に振り廻される純愛の乙女。かつての日本の学徒を描いて余す所なき雄大なる問題作。
一高北寮に合宿していた妻木、神津ら五人にも、廬構橋に銃声がひびき、やがて中国の留学生周があわただしく帰国するようになった頃から、時代のうねりを感じるようになった。藤野章子は義兄飯田に冷酷に扱われてから一高生を憎み、偽一高生を装う憲兵伍長の手先となって妻木に近づいて、学園内の自由主義者の情報を集めていた。その妻木は追い詰められて時計台にのぼり、黒いマントを残して姿を消してしまう。彼は身を投げて死んだと人々は噂したが、実は某所に身をひそめて自由への闘いを続けていたのだ。その頃章子は病床にあり、妻木と思想をこえて愛し合うようになっていた。妻木は章子の病気が悪化したことを知り、その病床を見舞おうとするも憲兵の邪魔によって近よることすら出来なかった。そして章子は神津や松下に、自分の非を詫びて死んでいった…。