1952(昭和27年)/3/27公開 89分 モノクロ スタンダード 映倫番号:637
配給:東映 製作:東映
朝日新聞に報道されたニュースに取材し水上生活者たちから神様と呼ばれている医師が戦争の為記憶を失った青年を歌手として甦生さす物語。
駅前の闇市付近で、ゴミ捨て場と化した小さな沼があった。そこには暑さで夜も眠れぬ人々がたむろっていた。この近くに、「眞田病院」がある。眞田病院長はのんべえなのが玉に瑕だが、誰とでも平等に接して評判がいい。闇市の顔役である松永がピストル傷の手当てに来た時、眞田は肺病の恐れがあると注意した。血気盛んな松永は最初こそ忠告を聞き入れなかったが、その実彼は自分の不規則な生活で体力が衰えていたことを感じ、そいて胸の奥に寂しさを感じていたのだ。お前ほどの臆病者はいないぞと諭す眞田の言葉が堪える。そしてついに松永は発病してしまった。情婦の奈々江はムショ帰りの岡田とともに松永を追い出し、彼は眞田病院の厄介になることとなった。松永が一番愛した仁義の世界に、いつしか松永の居場所はなくなっていたのだ…。