1952(昭和27年)/5/22公開 78分 モノクロ スタンダード 映倫番号:694
配給:東映 製作:宝プロ
殉教の島天草を舞台に豊臣残党の陰謀と領主の圧制に喘ぐ農漁村の姿と彼等救済主天草四郎を中心に恋と活劇をからませた妖奇変転の傑作。
徳川三代目将軍家光の治世。九州の天草島は長崎に近いということもあり、キリスト教の信者が多い場所でもあった。だが幕府はキリスト教を邪教として、信者弾圧を強化していった。さらにここの領主であった寺澤兵庫は、邪教取締りに加えて重税を島民に課して苦しめていた。小西行長の遺臣益田甚兵衞は天草島で農耕に従事しつつ、森宗意軒とともに密かに小西家再興を図っていた。キリスト教徒でもあった彼らは、キリストの旗印を掲げて反乱を起こすことで、同宗の大名とともに再興を成し遂げようとしていたのだ。四郎が十六歳になった時、宗意軒は彼こそが宣教師シャビエル師が予言した救いの主であるとして、島民の信頼を得ていた四郎を担ぎ出そうとした。四郎は宗意軒の企みを知りつつも、キリスト教道のためにあえて宗意軒に従っていた。松平伊豆守が派遣した隠密の鳩売り四方太は、傀儡師の銀之丞ことお銀という女性とともにこの真実を突き止めるが、お銀は四郎の純真さに触れ、自らもキリスト教に帰依して彼に従うことに。そして信徒が処刑されるとの噂を知り、遂に天草四郎は立ち上がる…。