1952(昭和27年)/9/10公開 82分 モノクロ スタンダード 映倫番号:725
配給:東映 製作:東映
維新の黎明に春未だ浅く、明けゆく時代の霧に包まれながら、京洛の巷に日夜激しい暗闘が繰り返されていた。悲愁の名篇。
維新間近の頃、淀川の川べり伏見にある船宿寺田屋の女将おとせは、その男勝りな気性と、勤王の志士を受け入れる度量のよさで知られていた。その亭主である伊助は極道者で家に寄り付かず、養女のお春は安政の大獄で獄死した勤王の医者、楢崎将策の娘で、坂本龍馬に深く思いを寄せていた。その龍馬は上洛し、長州の桂小五郎と薩長の提携を画していたのだが、その龍馬を新撰組は追い続けていた。おとせの使いのために京へ出たお春は、加茂川原で龍馬に再会。だが新選組に追われ、あっという間に別れる破目に。翌日、三十石船に乗って寺田屋へ着いた桂春団治という噺家は、なんと龍馬と生写しであった…。