1953(昭和28年)/2/5公開 96分 モノクロ スタンダード 映倫番号:926
配給:東映 製作:宝プロ
加藤武雄原作「呼子鳥」の映画化。「母の罪」以来圧倒的な好評を呼んだ東映得意の浪曲母映画で、三門博、天津羽衣の名調が全篇に流れ、名乗れぬ母と子の運命を描いた涙の傑作。
乳母お新の息子省三に愛を打ち明け、明るい将来に胸膨らませ帰京した成瀬志保子。だが彼女は名も知らぬ行き倒れの男に貞操を奪われ、その男の子を宿してしまった。牧師の父重行は、娘の不幸を省三によるものと誤解して激怒。何も知らず上京してきたお新は生まれた志保子の子供を引き取り帰っていった。省三は激怒するも、子供は良吉と名づけられ、お新の愛に守られ育っていった。三年後、お新は病に倒れ、省三と、彼の妻となった小学校教師の幸子に良吉を託して息を引き取った。それからさらに月日が流れ、七尾商事の社長七尾茂樹の後妻となった志保子は瑞枝を生み、省三も志保子もそれぞれの人生を過ごしていた。だがある日、志保子を妊娠させた行きずりの男、松井が彼女の前に現れた。松井は志保子を脅し、更に幸子にも、良吉は省三と志保子の間に生まれた子供だと言いふらす。幸子の誤解から、良吉は家を飛び出してしまった。省三によって誤解は解けたが、良吉は松井の情婦ルミに拾われていた。松井は自分の子だとも知らずに、今度は七尾家をゆすろうと企む。直前で松井の元から逃げた良吉だったが、再び松井に捕まり、町外れの倉庫に拉致してしまう。志保子は一人倉庫に向かうの…。