1953(昭和28年)/6/17公開 90分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1067
配給:東映 製作:東映
異様な印象と感動を与えた前二作についで、愈愈波瀾の物語を追う渇望の第三部。剣の呪縛に悶えながら、愛児への愛情に目覚めた机龍之介。
天誅組はもろくも敗れ去り、机龍之介は十津川沿いの山小屋に身を隠したが、漁師惣太の密告で捕縛寸前となり、惣太が投げ込んだ火薬を浴びて失明してしまった。盲目となった龍之介に襲い掛かる役人達。だが彼の剣は水の如く冴えてこれを抜け出して去っていく。辿り着いたのはお豊達がいる龍神村。お豊は金蔵と形ばかりの契りを結び、ここで宿を営んでいた。龍神の池で再会する龍之介とお豊だったが、龍之介の失明を知ると泣き崩れた。お豊を探す金蔵は龍之介を追ってきた兵馬と出会い、その美貌に疑いの目を向け始める。嫉妬に狂った金蔵は兵馬に兇刃を浴びせるが、その時倒した行灯の火が一気に村を火の海にしてしまった。その中で龍之介の手を引き逃げるお豊を見つけて、龍之介に襲い掛かる金蔵だったが、逆に龍之介に倒されてしまう。その騒ぎの中、お松を連れて七兵衛も現れ、兵馬は七兵衛らと共に消えた龍之介達を追う。お伊勢詣でで賑わう伊勢山田にて、お豊は病床に伏せていた。お豊は美女お玉に、龍之介への手紙を託した。運命を悟ったお豊は自害し、その意を汲み取ったお玉だったが、偶々神尾主膳の座敷から印籠を盗もうと忍び込んだ七兵衛に間違われ、主膳に追われる身となってしまう。彼女の身代わりに米友が捕まり、龍之助に手紙を渡した。そして遂に兵馬とお松も龍之介の前に対峙する。だが道庵の医術で両目に光明を見出した龍之介には、もはや剣鬼の面影はなかった…。
「大菩薩峠」シリーズ(3)