1953(昭和28年)/11/10公開 120分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1162
配給:東映 製作:東映
自由なる魂の持ち主、川上安子が変転_りなき現代世相の中に、勧善と生き抜く姿を通して永遠なる命の尊厳を_う女性映画の最高作で現代の苦悩に幾多の課題を投げる激情の文芸巨編である。
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川上安子は愛息の松夫をその恋人りう子に託し、教師として一人札幌へ赴任していった。松夫の父親は参議院議員の武藤荘太であったが、既に安子との縁は切れていた。母と離れ、それでもりう子からの愛情を受けて新しい生活を始めた松夫だったが、朝鮮事変の勃発により、学生達の生活にも不穏な空気が流れこもうとしていた。松夫が所属しているグループの飛田は地下運動に身を挺し、松夫とりう子も運動に巻き込まれるようになっていた。そんなある夜、グループのメンバーの篠田に酔わされ、りう子は篠田の欲望を受け入れてしまった。酔わされていたとはいえ自らの不覚を嘆き、りう子はそれまでの快活な性格を豹変させ、飛田の政治運動に深く関わっていく。その頃北海道の安子は、大学教授竹村の求婚に戸惑い、帰京して新たな生活を始めることに。だが松夫とりう子は飛田の所にいるため所在が分からない。東京経済社の社長秘書に就職した安子だったが、社長の茅野は国務相となった彼女の前夫武藤とのつながりに野心を抱く。一方の松夫とりう子も愛情と政治活動の狭間でゆれ、その絆が今にも消えるかに見えた・・・。