1953(昭和28年)/12/8公開 93分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1183
配給:東映 製作:東映
「母の罪」以来の好評に応えておくる女性紅涙篇で、母と子の美しくも悲しい愛の物語に、胸うつメロデーを流す歌謡母映画、全女性ファン感動の珠玉篇。
昭和八年。坂東流名披露目の舞台に踊る鈴子は、坂東三江紫の愛弟子として幸せな生活を送り、三江紫の養子である正木信之とも相愛の仲であった。だが三江紫が急病に陥り、彼女は実子のとし子を信之の妻にと言い置いて急逝してしまった。養母の遺言と鈴子への愛の板ばさみに苦しむ信之を見て、鈴子は寂しく姿を消した。だが既に信之との子供を宿していた鈴子は、小さな町の母子ホームの一室で、我が子信一の誕生を迎えた。信一の成長が鈴子の唯一の頼みとなった。一方、とし子と結婚し出世街道を進む信之のもとに、旧友の新聞記者である久保から変わり果てた鈴子の生活を聞き、深い慙愧に捕らわれる。自分の息子である信一を引き取ることで鈴子の重荷を取り除こうと考え、とし子と久保が鈴子の元を訪れた。最初は申し出を頑なに拒む鈴子だったが、信一の将来を考えた時、愛すればこそ信一をとし子の元に託すのだった。そして時は流れ昭和二十七年。県知事となった信之は旅回りの一座に加わっていた鈴子と偶然再会した。信之の配慮で久保の世話を受け、大学野球の花形となった信一の姿を見守ることができた鈴子だったが、返り咲きの舞台で鈴子は急病に倒れてしまう…。