1953(昭和28年)/12/28公開 74分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1210
配給:東映 製作:東映
土井十万国のお家乗っ奪事件をめぐって、お忍び姿の若殿春太郎が、悪臣一味を向こうに廻し遂にこれを屈服させる迄を、恋、人情、殺人など娯楽時代劇の興味を横溢して描く痛快の剣戟篇。
悪侍の白刃に追われた女白波のおれんは、夜釣りの浪人に危難を救われたが、その時に掏り取った印籠がきっかけとなって、その浪人春太郎に惹かれはじめていた。春太郎の気風と腕を信じたおれんは事の真相を話し始めた。おれんたちの住むお洒落長屋でお洒落小町と評判のおあいが、突然謎の侍集団に誘拐されたのだ。おれんと、その子分である半次がかねてからきな臭いと感じた匂坂の侍屋敷に忍び込み、おあいを発見したのだが、侍達に気付かれて逃げる途中に春太郎と出会ったといういきさつ。おれんの頼みをべらんめぇ口調であっさり引き受けた春太郎、翌日には平然と侍屋敷に忍び込み、群がる侍達をなぎ倒してあっさりとおあいを連れ戻してきた。…と思ったら、実はその娘はおあいそっくりの、土井十万石の元家老有賀八郎の娘弥生であったのだ。おあいは一団の企みにより、弥生の替え玉として連れ去られたことを知る。次の日弥生と共に有賀八郎邸を訪れた春太郎は、土井家当主の大炊頭の乱行に乗じて、江戸家老の塚越や匂坂がお家乗っ取りを企んでいると告げられる。実は春太郎こそ、身分を潜めて放浪中の大炊頭の息子だったのだ…。