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疾風愛憎峠 

1954(昭和29年)/3/10公開 104分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1288 
配給:東映 製作:東映

新撰組の白刃荒れ狂う中、江戸へ江戸へと悲願の旅を続ける武家夫婦とこれを守る鉄火やくざの純愛、江戸入国を約束する薩摩藩の鑑札をめぐって事件が続発する痛快無類の時代劇。

疾風愛憎峠 
(C)東映

ストーリー

尊王倒幕の声がいよいよ高まる元治元年三月、勤王志士の往来を阻止せんと、小田原の宿場に新たに検問所が設けられた。長官陣出弥十郎の配下鉄砲組の精鋭や、芹沢鴨率いる新撰組の他に、近在の親分も警戒に当てさせるという厳戒のなか、検問所に程近い歓楽街で、的場の新太郎だけはやくざ上がりと思えぬ気風で陣出の要請も突っぱね、ひたすら人情の節を守っていた。折りしも小田原に潜入した長州藩士高柳龍之助と妻のお俊は、薩長提携の密命を受け江戸上野輪王寺宮に急ぐところを、検問所を通るために必要な鑑札を手に入れられず苦慮していた。その鑑札を新太郎が持っているという噂を聞いた龍之助は彼に譲ってもらおうとするのだが、中立の意思を曲げない新太郎はその申し出を拒んだ。だが、龍之助に同行するお俊の顔を見て、新太郎は動揺を隠せなかった。嘗て浅香と名乗る武士であった新太郎は、身分違いの茶屋女お俊との恋を成就しようと脱藩を企てたが、お俊は一足先に捕らえられ、捕吏の偽りの言葉でお俊は自分を裏切ったと誤解したまま新太郎は放浪の旅に出たのだった。お俊は誤解を解くために夜半に新太郎の元を訪れるが、彼女への愛憎に迷う新太郎は会おうとはしなかった。その頃、高柳の小田原潜入を知った検問所は追求の手を強め、長州志士は検問所の銃火を浴び次々と倒れていく。失意に沈む夫の姿を見て、お俊は何としても鑑札を手に入れようと再び新太郎の元を訪れる…。

疾風愛憎峠 
(C)東映
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