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黄金街の覇者

1954(昭和29年)/5/25公開 102分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1324 
配給:東映 製作:東映

混乱の世相を尻目に、金の世界へ生涯を賭け明治の成金王と謳われた希代の相場師・鈴木久五郎の闘志に充ちた半生を華麗な明治末期の情緒の中に描き出した灼熱の野心作。

黄金街の覇者
(C)東映

ストーリー

埼玉有数の資産家の次男に生まれ、兄の経営する銀行の支店長を務めていた鈴久こと鈴木久五郎が、初めて相場師として立とうと決意したのは明治三十八年のことであった。当時ロシアとの講和条約を不満とする群集が日比谷で焼き討ち事件を起こし、兜町は大きく揺れた。だが、唯一人鈴久だけは回復を信じて下落し続ける株を買い漁り、支店長の職もなげだし、重度の肺炎に倒れたが、それでも彼はある限りの財をはたいて株を買い集めた。しかもそんな時でも馴染の料亭「初花」の芸者お玉との約束を守り、妹芸者の花枝を助けるために金を揃えることを忘れなかった。そして鈴久の読みは当たり、相場は彼の病が癒えるのと同じ速度でぐんぐん上昇。会心の笑みをたたえて退院する日に、鈴久を待っていたのは花枝の愛情であった。程なく鈴久と花枝改めお花は結婚、相場師の実力も上がっていき、「成金王」と呼ばれるほどになっていった。だが全盛期を迎え、毎夜の豪遊から帰ってくる鈴久を見つめるお花の表情は次第に寂しげになっていく。やがて鈴久第二の勝負の時が来た。兜町に現れた中国人呉錦堂が鐘紡株の大量売りを仕掛けてきたのだ。世評は次第に鈴久に背を向き始め、無二の味方と信じた片野にも裏切られ、敗戦が濃くても鈴久は宴席を設け底力を誇示し、大銀行家安田から融資を取り付け逆転に成功する。だがそんな鈴久にも、間もなく敗北の運命が近づいてきていたのだ…。

黄金街の覇者
(C)東映
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