1955(昭和30年)/8/22公開 50分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1877
配給:東映 製作:東映
御荘金吾原作のTBS系ラジオ連続放送劇の人気番組を映画化。智将・真田幸村の遺児・朝霧丸と夕霧姫の兄弟をめぐって起こる波乱の物語を、千変万化の忍術合戦を軸に描く四部作からなる冒険絵巻の完結篇。
吉野にいる夕霧姫を追って、菊丸たちと出雲阿国の一行にまぎれて京から出ようとした朝霧丸は、警戒の役人に見破られ十重二十重の重囲におちいる。奮戦激闘のあと、菊丸たちを逃した朝霧丸は、得意の忍術を使ってその場から消え去った。一方、夕霧姫の一行は桐丸がいる吉野の菊水党首大和谷四郎五郎の許を訪ねていったが、それは女間者の皐月によっていち早く領主の本田伊賀守の耳に入り、家老・岩神典膳の率いる一隊が大和谷の屋敷を襲撃する。桐丸たちは抜け穴を伝わって山中深くの尼寺へ逃れ落ちたが、その折皐月は四郎五郎が落としていった菊水の紋所の守り袋を見出して驚く。それは皐月の持っている守り袋と同じものであった。皐月は、幼い時拐わかされた四郎五郎の実の娘だったのだ。暫くして、朝霧丸の一行が大和谷の屋敷に着く。それと知ってまたしても伊賀守の軍勢が押し寄せたが、朝霧丸は救援に現れた青桐党穴山小助らと共に軍勢を追い払った。朝霧丸来る、と聞いて桐丸と四郎五郎は尼寺から駆けつけ、如意輪堂において朝霧丸、夕霧姫の兄弟の対面を行うよう諮った。だが皐月の急報で真田一族の動静を知った家康は指令を飛ばし、京都より真田伊豆守の大軍が大挙して吉野へ攻め下ってきた…。