1955(昭和30年)/8/22公開 52分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1876
配給:東映 製作:東映
御荘金吾原作のTBS系ラジオ連続放送劇の人気番組を映画化。智将・真田幸村の遺児・朝霧丸と夕霧姫の兄弟をめぐって起こる波乱の物語を、千変万化の忍術合戦を軸に描く四部作からなる冒険絵巻の第三篇。
平家部落の裏山で代官小源太の一隊に襲われた夕霧姫・桐丸の一行は、通りかかった吉野の菊水党和田倉十兵衛に助けられ、朝霧丸・菊丸・玄海の三人も落とし穴から間道を抜けて首尾よく重囲を脱出した。桐丸は夕霧姫を連れて京都へ落ちていくが、真名女が持つ黄金に目をつけている右近左近の兄弟も、追う様に京の都へ上っていった。朝霧丸は夕霧姫の行方を求めるが、その留守に食べ物を探しに出た菊丸は無頼漢八兵衛に発見され、代官小減太に捕らわれてしまう。急を知った朝霧丸は忍術を持って菊丸を救い出したが、その際、夕霧姫は京都へ上ったとの噂を聞き、直ちに出立する。その動きを嗅ぎつけた家康は、真田伊豆守に命じて捕らわれの身の海野六郎を囮に連れて京へ軍勢を送った。密かにこれを探っていた菊丸の母・八千代は、夫を慕って伊豆守の軍勢の跡を追っていった。京へ着いた桐丸は姫を山城工に預け、十兵衛と約束した豊臣家再興の密議のため吉野に旅立った。だがその山城工は、右近左近の手先となって黄金を盗もうとした志摩六に殺され、都の厳重な警戒ぶりに危険を悟った真名女は、朝霧丸達が京へ来たことを知らず、夕霧姫、志津女と共に吉野に落ち延びていった…。