1957(昭和32年)/7/2公開 53分 モノクロ スタンダード 映倫番号:10171
配給:東映 製作:東映
美しい水郷地帯を背景に、殺人の罪を犯した父を慕う可憐な娘船頭の姉妹愛と、二人をめぐる村人たちの素朴な人情を松島トモ子の唄に乗せて描く珠玉の愛情篇。
水ぬるむ潮来の水面を、可愛い歌船が流れます。娘船頭さんのお姉さん・よし子と、妹のみつ子は仲の良い姉妹で、みつ子の歌は潮来の名物でした。ある日、よし子が母・康子の墓参りから帰ってくると、そこに八年の刑を終えて出所してきた父・源次がいました。八年前、病床に伏す康子には目もくれず、酒と博打に身をやつし挙句の果てには殺人を犯した父をよし子は今更どうして温かく迎えることができましょう。よし子とみつ子は人殺しの子と罵られながら、歯をくいしばって我慢し、吉川老人の温かい庇護の下で今日を迎えていたのです。そんな不幸なよし子の胸の内にも、清らかな青春の愛情が芽生えていました。それは遊覧船の機関士・洋一に寄せる愛の想いでした。洋一の母は、やくざの前科者の娘との結婚には強く反対していましたが、洋一の愛情は固く、一途に燃えていたのです。ある日、源次は学校から帰って来るみつ子を認めて近寄りましたが、みつ子は源次が父だとは知らず逃げるように走り去りました。源次は自分の娘たちに白眼視されるのは吉川老人のせいだと責め立てましたが、吉川老人から康子が半狂乱になって身投げするまでの真相を聞き、初めて自分の愚かな行為に目が覚めたのです。一方、洋一の家ではやくざの金田から借りた金の不当な利子が返済できず、立ち退きを強要されてました。それを知った源次は金田の家に乗り込み、次々と金田の子分たちを投げ飛ばし、金田に詰め寄るのですが・・・