1958(昭和33年)/5/27公開 95分 カラー シネマスコープ 映倫番号:10688
配給:東映 製作:東映
主家の姫君に愛されたため浪人した雪太郎が、ふとしたことから姫の危急を知り、敢然と事件の渦に飛び込んで暴れまくる豪快右太衛門の颯爽たる剣の魅力篇。
昼下がりの箱根八里、浪人比良雪太郎の前にけたたまし悲鳴と共に、やくざ風の男が辻堂の横手からころがり出てきた。山賊と思いきや前に現れたのはまぶしい様な武家娘。どうやら山賊行為を働いたこの男スリの吉松の方で、逆に娘にやっつけられた様子。この松江という武家娘に何か事情ありと睨んだ雪太郎は娘の頼みを聞き入れ、江戸まで偽装夫婦の道行と洒落込んだ。お供は吉松。箱根の関所を無事に越えたところで、血相変えた数人の旅侍、どうやら松江を追跡してきた様子。松江はいち早くかくれて難をのがれたが、この様子をみていた強そうだが薄汚れた浪人が関所破りだと勘違い。だがこの三井鐘太郎なる浪人、江戸迄の喰扶持を持つ事になって簡単に話がついた。これで一行は四人となって道中が続き偽とはいえ松江は雪太郎にひかれはじめるが、雪太郎の心の中にはしっかりと愛し合っている女性の面影がある事を感じていた。保土ヶ谷宿で松江は名残を惜しみながら雪太郎に別れを告げ一足先に発ったが、それを知らぬ追手は後から発った雪太郎らを攻撃した。忽ち追い払われた追手が落としていった藩札を見て雪太郎の目が異様に光った。和州郡山藩の内部にお家騒動が起こっている事を感づいた。郡山藩は雪太郎の旧藩主の姫君露姫の輿入れ先で、姫の幼い頃からのお相手役だった雪太郎は秘かに愛し合った為自ら藩を飛び出したのだった・・・。