1958(昭和33年)/7/23公開 59分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:10731
配給:東映 製作:東映
やくざな父を抱えた美しき姉妹が、世間の迫害に晒されながらも、生き別れた母を想う切ないまでの慕情を、詩情豊かな佐渡を背景に描く愛と涙の浪曲篇。
佐渡の灯台に勤めるすみ子とみつ子の姉妹。二人の父親・常吉はヤクザ者で、すみ子は将来を約束した新聞記者の古田を紹介しようと連れてきたが、土地のやくざ・村井組と常吉が喧嘩騒ぎを起こしているのに遭遇してその場を逃げてしまう。翌日の古田の発行した新聞はこの乱闘沙汰にひっかけて村田組の悪事を暴露する記事。この結果、古田と常吉へ対する村井組の圧迫はますます悪辣なものになるが先代から新聞を発行する古田はひるまなかった。一方、常吉はみつ子の担任に、死んだとみつ子に聞かせていた母親・ユキ子が生きていることを発言してしまう。常吉は喧嘩で警察の世話になっている前科があり、これがユキ子の父親の怒りに触れた。結果、常吉は子どもを連れて家を出てしまったのだ。この話は親たちから子どもへ伝わり、当然みつ子にも伝わった。みつ子の小さな胸は痛んだ。すみ子も古田との結婚を半ばあきらめていた。―父親がヤクザだから―涙を浮かべてなじる姉妹に常吉の心は悔悟にさいなまれ、紛らわすために酒量は増えた。ある日、一人さびしく手製の母の墓標に手を合わせるみつ子を見て一気に今までの酔いも覚めた常吉は、心を入れ替えてユキ子と再び縁を結び、子どもたちを幸せしようと考えた。ユキ子の父も常吉を許し、すみ子は母の実家から古田に嫁ぐことが決まった。しかし吉報を持って佐渡へ帰る常吉を村井組の悪計が待ち構えていた・・・。