1958(昭和33年)/8/12公開 108分 カラー シネマスコープ 映倫番号:10788
配給:東映 製作:東映
日本映画界の至宝・市川右太衛門の映画出演三百本を記念して、絢爛のオールスターで放つ時代劇超ド級編。伊達藩に乗り込んだ退屈男が、得意の諸羽流を振って悪を断つ。
お浜御殿。連日の酒色に溺れる伊達六十二万石の太守忠宗。名君の噂高いと聞く忠宗が一変、お家を揺るがす振る舞いに出てより1年、その乱行は日毎募るばかり。そして、事もあろうに、美女狩りをも命じた。その美女狩りの現場にたまたま通り掛かったのが、直参旗本早乙女主水之介一行。主水之介は、妹・菊路、揚羽の蝶次、横這いの円太、のっそり弥八、一念堂一徹を従えてこの奥州へと足を向けていた。早速、調査に乗り出す主水之介たち。その結果、一族の伊達兵庫と重役原口刑部がお家横領を企み、さらに大名取り潰しを狙う幕府の国目付榊原監物が一枚加わっており、さらにさらにその後ろには幕府の大物が控えている様子が窺えた。そんな中、伊達家の世継鶴千代が急に発病。それには、兵庫と気脈を通じる典医道白の影があるようだった。鶴千代の病状は、局浅岡と腰元の浪乃の機転によって日々快方に向かい始める。さて、刑部の屋敷では、兵庫、監物、道白、忠宗の御側用人奥山大学らが鶴千代毒殺失敗に次ぐ、第二の手段を練っていた。それを盗み聞く蝶次であったが、兵庫の手に捕らえられてしまう。事態の急迫を感じた一味は、甲賀三郎兵衛に鶴千代暗殺を命じる。だが、無邪気な鶴千代を殺せない三郎兵衛の失態に、その代償として主水之介を斬ることを命じる。一方、この頃主水之介は、一味の悪行を暴くには、先ず道白を叩くべしと、道白邸へと向かい、遂に一味の連判状の在処を聞くや、道白の身柄を志臣角倉十大夫へと引き渡す。さらにこの頃、奥山大学は、主水之介こそ野望の妨げと、手飼いの忍者百々地三之丞にその殺害を命じる。深夜の町はずれ、主水之介と対峙する甲賀三郎兵衛と百々地三之丞。だが主水之介に、この陰謀に加担することへの不実を説き伏せられ、剣を鞘に収める。一方、主水之介の指示で、刑部邸に忍び込んだ円太と弥八は、囚われた蝶次を救い出し、連判状を盗み出す。証拠は充分、時至れり、傀儡の汚名を濯がんとする三郎兵衛、三之丞を従え、主水之介は、お浜御殿へと乗り込んだ!
「旗本退屈男」シリーズ(20)