1959(昭和34年)/3/17公開 97分 カラー シネマスコープ 映倫番号:11113
配給:東映 製作:東映
私は将軍の子だった……己が生れ故に捲き起る数奇な運命を辿りつつひたすら剣を磨く青年葵新吾の波乱万丈の人生を描き、橋蔵の魅力を充分にいかした時代劇大ロマン。
「私の剣はこれでよいのだろうか...」武州秩父大台ケ原に帰ってきた葵新吾は亡き師・梅井多聞の墓標の前で真崎庄三郎に出会った。真崎は静かに新吾の迷いを醒まし、剣の厳しさ、深さを改めて諭すのであった。享保十二年二月十二日、将軍家指南役・柳生但馬守の名を以って、来る四月三日江戸城内において上覧試合を行う旨の布告が出され、雪深い真崎道場にもその知らせが伝えられた。わが子恋しさに病を発したお鯉の方、それを憂う吉宗公。その心中を察した老中・酒井候が上覧試合で親子対面を行おうとするものだった。だが、それは新吾の知るところではない。新吾は真崎の勧めで自源流の代表剣士として試合に出ることになった。聞くところでは武田一真も柳生流を代表して出てくるという。四月三日当日、城内で恋焦がれた多加が讃岐守の姫君だったことを知り驚く新吾。そして武田一真との宿命の対決が今まさに始まらんとしていた。
「新吾十番勝負」シリーズ(5)