1959(昭和34年)/6/23公開 101分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:11226
配給:東映 製作:東映
真の忠義とは、真の武士道とは-主家の安泰を願うために、敢えて逆臣の汚名を着る人間・原田甲斐を描く野心巨篇。豪快大友柳太朗が全情熱を傾注して体当り的名演を展開する話題の一作。
江戸時代・四大将軍綱吉の治世にあった寛文三年三月。奥州伊達家の内紛を巡る公儀評定の席上で、江戸詰総奉行の原田甲斐は対立した国家老・伊達安芸を一刀のもとに伏し、自らも「乱心者」の汚名とともにその生涯を閉じた。この悲劇は遡る事六年前、先代の忠宗の死去により六十二万石の家督を若い綱宗に定まった日から始まった。妾の子のために十五歳まで正嫡と認められず、誰にも心を許せず、酒と花魁の高尾太夫をその捌け口にしていた。そして太夫の情人であった旗本奴・島田重三郎一味を傷つける騒ぎまで起こした。この騒ぎも甲斐は大きな気持ちで綱宗を見守ろうとした事により、江戸表と対立しがちな国許一派に様々な憶測を生じさせた。また、幕閣当事者もこの件を問題にし、千代田城外堀工事を伊達藩に押し付けた。甲斐はお家のためとこの難工事を請けるが、工期は延び、工費も膨大な額になっていった。そんな中、綱宗は高尾太夫を一万五千両で身請けするが、それでも島田を愛する太夫に腹を立て、斬殺してしまう。甲斐はついに綱宗を隠居させ、幼君亀千代をこれに代える決意を固める…。