1959(昭和34年)/9/2公開 60分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:11345
配給:東映 製作:東映
麗峰富士を背景に時の老中田沼の悪政に抗して、伏見扇太郎、花園ひろみ、若山富三郎の新青春トリオが、秘宝黄金八十貫を求める波瀾万丈、豪快なタッチで描く痛快時代劇。
時の老中田沼意正の奸策によって、旗本八千石榊原家は、まさにお家断絶の危機にさらされていた。城中の観菊の夜、榊原家の息女亜矢姫が、将軍綱吉に見初められたことから、意正は将軍の寵愛を引き止める絶好の機会と、亜矢姫をお側御奉公に上げるよう榊原家に迫ったのだ。精錬剛直の聞え高い榊原家当主忠常はこれをきっぱりと断る。そこで意正は二万両もの費用を要する、久能山東照宮修築の儀が忠常に下る様に暗躍したのだ。二万両の調達に万策尽きた忠常は、意正の野望を天下に伝えんと死を決意する。これを思い止まらせたのは榊原家の忠臣来間又四郎であった。忠常の奥方お遊の方が、黒覆面の一団に襲われ非業の最期を遂げる。だがこの不幸が榊原家に一抹の光明を投げかけた。お遊の方こそ、その昔富士教を世に伝え、断食往生をとげた角行上人の残した“富士の白玉”と八十貫の黄金の鍵を握る上人の一粒種であったのだ・・・。