1960(昭和35年)/5/3公開 48分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:11720
配給:東映 製作:東映
話題の美剣士・倉田爽平が目を奪う絢爛の剣技を見せる痛快時代劇。十五年ぶり故郷信州の土を踏んだ青年剣士・雲母龍之介が、危機に瀕している幼馴染お里の一家を助け、悪ボス一味に必殺剣を見舞うという、剣と恋と波瀾のうちに人の世の哀歓を描き出した二部大作の前篇。
故郷小諸へ、父母の墓参りの為、十五年ぶりに帰ってきた雲母龍之介は、碓氷峠の山中で悪雲助から幼友達のお里を救った。お里は小諸の人情貸元・千曲の久兵衛の一人娘で、幼くして両親を失い瑞徳寺の和尚に育てられた龍之介にとって、この親子の優しさは生涯忘れられないものとなっていた。縁あって武家の養子となり、今は立派に成人した龍之介とお里は、再会に声もなく見つめあう。その様子を窺う女がいた。女道中師・八つ目のお千だ。お里の懐の貸金五十両に目をつけたお千は、病人を装い見事お金をスリ取った。以前は小諸一と言われた千曲一家も、新興勢力八幡宿の丸子伝蔵一家のあこぎなやり方に押され、月々の貸金の利子五十両が一家を支える唯一の収入源になっていたから、お里は途方に暮れた。とそこへ乾分の五郎八が飛んで来た。千曲の久兵衛が丸子一家に襲われたという。情婦お紋の家で酔い潰れる用心棒・飛鳥兵馬に代わり、再度龍之介の剛剣が久兵衛の命を救った。お里に想いを寄せる兵馬と乾分の追分の仙太郎は、龍之介の出現にすっかり意気消沈。さらに龍之介は丸子一家に追われるお千をも助け、五十両を取り返すというお手柄だ。そのお金を久兵衛に届けての帰り道、突然踊り出た暗い影が抜き打ちに斬りかかった。お里恋しさに龍之介の生命を狙うは追分の仙太郎。が、その暗闇になおもうごめく影が。激しく仙太郎の体を突っ放す龍之介をめがけて轟然と銃口が火を噴いた・・・。
「青空街道」シリーズ(2)