1960(昭和35年)/5/17公開 51分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:20920-2
配給:東映 製作:東映
正義の風と山彦剣法を駆使して圧倒的人気を博した山城新伍の痛快時代劇「風小僧」シリーズ第2作。異常な日照りのため水飢饉に悩む民百姓を救おうと、河童沼用水掘の工事を進める煙ヶ岳城の若き城主・風の小六の前に立ちふさがったのは、お家乗っ取りを狙う悪人一味の陰謀に加担する河童仙人だった…。
ある年の夏、盤城の国々は異常な日照りに悩まされていた。水はすっかり涸れ果て、残るは河童沼の不気味な水ばかり。だが、この河童沼には、水門を開く者に沼の主・河童仙人のたたりが…という言い伝えがあり、誰も近づこうとしないのだ。しかし、日毎にひび割れる田んぼの有様に一滴の水を求めて醜い争いが続き、見るに見かねた城主の小六は、ついに八田陸斉、玉緒、久太らに河童の水門を開くように命じた。この日照り、実は村人たちの幸福を妬む河童仙人の干からびの術の仕業だった。水門を開かれては一大事と河童仙人は手下の河童男に陸斉らを襲わせるが、忽然と現れた風小僧の正義の風の術の前には、河童仙人の蜘蛛の糸の術も効き目がなく、村の田んぼには久方ぶりに満々と水が湛えられた。これで生気を取り戻した村人たちだったが、日が経つにつれ、次第に河童仙人のたたりを恐れ、城主の小六さえ恨むようになっていった。この心の動きをいち早く感じ取った小六は、河童沼に用水路をつくる決意をする。ところが、この工事監督を命ぜられた影原一真という男はなかなかの曲者で、前々から城主の地位を狙っており、時節到来と河童仙人と通じて河童男の工事の妨害を見逃し続けるのだが…。
「風小僧」シリーズ(3)