1960(昭和35年)/5/31公開 79分 カラー シネマスコープ 映倫番号:11764
配給:東映 製作:東映
里見浩太朗が初の二役七変化で大活躍する剣あり恋ありの痛快娯楽篇。丸亀藩十万石に吹き荒ぶ陰謀の嵐の真っ只中に飄然と現れた「鬼退治に罷り出た桃太郎」と名乗る謎の快剣士の活躍を巡って絢爛と咲く恋模様をユーモアとリズミカルなテンポで描いた時代劇。
夜の向島堤で黒覆面の一団に襲われている武家娘を若侍が助けた。お化け長屋の居候で桃太郎と名乗る不思議な若侍だ。武家娘は丸亀藩江戸家老・神島伊織の娘・百合。仕置家老・鷲塚主膳と讃岐守の愛妾・お梅の方が結託し、お家乗っ取りを謀む陰謀ののろしが江戸屋敷の新之助君にまで及び、黒覆面の一団も主膳が差し向けた刺客だという。桃太郎にとって丸亀藩には、双生児ゆえに厳しい宿命を負わされて人生の裏街道を歩まされた惨めな生いたちの思い出がある。讃岐守は毒を盛られて廃人となり、新之助もまた主膳腹臣の伊賀半九郎に毒を盛られて病床に身を横たえる有様となった。桃太郎の出生の秘密を知らぬ百合は、新之助と瓜二つの桃太郎に若君の身代りを依頼する。丸亀藩に対する憎しみも忘れて鬼退治を決意した桃太郎は、新之助になりすまして江戸を発つが、中の要所要所で計略の限りをつくして行列を待ち受ける伊賀半九郎の襲撃を受ける。大曲り附近の間道の釣橋で、四方から飛んで来る銃火の洗礼に桃太郎、百合らは窮地に追い込まれるのだが…。
「桃太郎侍」シリーズ(2)