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暴れん坊兄弟 

Unwieldy Brothers

1960(昭和35年)/6/5公開 86分 カラー シネマスコープ 映倫番号:11771 
配給:東映 製作:東映

昼行灯の兄に粗忽な弟!二人合わせて天下無敵の兄弟が悪玉退治に起ち上がる!東千代之介、中村錦之助、中村賀津雄の黄金トリオが放つ痛快時代劇!

暴れん坊兄弟 
(C)東映

ストーリー

評判の仲良し兄弟・典本泰助と泰三。兄の泰助は大変なのんびり屋で昼行燈と云うアダ名を頂戴しているのに引きかえ、弟の泰三は大変な粗忽者で慌てん坊とまったく性格が違う面白い兄弟でした。
ある日、兄の泰助は、若く英邁な主君・松平長門守知宣から初の国入りを控えて国詰めを命じられました。
典本泰助来たるという報せは、直ちに国表に伝わり、若葉城は大騒ぎ。
中でも兄弟の父で今は亡き典本茂平の親友だった家老・山治右衛門老が、泰助の顔も見ぬ間にベタほめにしますので、到着もしないうちから泰助には、若殿の眼鏡にかなった凄い切れ者で武芸百般の達人と云う伝説が出来上り、スネに傷持つ連中や、若手の不平家グループの青年隊に反感を生じさせていました。
そのため、城下に到着した泰助は、黒覆面の一隊に早速襲われて小川に落ち、山治家を訪れた時は全身濡れ鼠の有様で、待ち受けていた山治老や家中評判の美人姉妹の千賀と津留をがっかりさせてしまいます。
翌日、城中を山治老に連れられて挨拶に回る泰助の悠々たる態度は家中の侍に流石と思わせますが、その夜、青年隊の歓迎会に招かれて隊長の金吾六平太から藩の重役の汚職を聞かされた際ののんびりした泰助の返事は、青年隊を怒らせ、散々こづき廻されてしまうのでした。
さらに数日後には、江戸での泰助の行状を知らせる報告が城代家老の処に届き、泰助の人気は一気に下落したのです。
そんな時、兄思いの泰三が知宣の許しを得てやって来ました。
ところが兄とは違って粗忽者ながら激しい気性の泰三のことです。お城に上って兄の悪口を耳にすると、忽ち爆発して兄をあざけ笑う侍たちに拳固の雨を降らせて山治老をかんかんに怒らせてしまいました。
謹慎を命じられた泰三を一生態命かばうのはおきゃんな妹娘の津留で、一方、おっとり型の姉娘・千賀も泰助に惹かれている様子です。その泰三の処へ青年隊から決闘の申し入れがあり、殴られた仕返しらしいと千丈ガ原へ出掛けた泰三は散々にやっつけ、その場に兄から聞かされた藩の御料林の横流しに立ち合っていたと云う新井、角丸の二人を見付けると一同の前に突き出したのです。
驚いた青年隊は、汚職の摘発だとばかり二人を普請泰行・安藤伊十郎の所へ連れて行き不正の解決を迫リました。
しかし、結果は二人が罪を背負わされて首を斬られただけで、事件はうやむやの内に済まされてしまったのです。
思わぬ結果となり泰三は泰助に憤懣を訴えますが、泰助は答えるかわりに泰三の頬を打つのでした。
二人を殺してしまったのは、泰三の浅慮からで、もっと真相を探り、動かぬ証拠を握って、奥に隠れている大物の不正を暴こうと云う泰助の遠謀が破れてしまったのです。
そうとは知らぬ泰三は兄を痛罵し、仲の良かった兄弟は生れて初めての仲違いをします。
一人淋しく思いにふける泰助の所へ、収納方・下鳥面孝之進の子供たちが来て、父が殺されると訴えました。急いで馳けつけた時はすでに遅く、下島は泰助の腕に抱かれながら、汚職の黒幕は城代家老・稲葉兵部で、勘定泰行・井上図書と普請泰行・安藤伊十郎等の一味が、今宵城下の相模屋に集まる事を告げて息断えたのでした。
一方、兄と別れて山治家へ帰った泰三は、下島が泰助宛に置いて行ったと云う油紙包みを不審に思い、山治老と共に開いて見ますと、中味は汚職の証拠である夥しい帳簿類と一通の手紙で、そこには小心者で子沢山な下島が、おおらかな泰助から受けた心の安らぎのお返えしにこれを届ける、と記されています。
遂に泰助の怒りが燃え上りました。「うおーッ」と思わずうなリ声を上げると、相模屋めざして一目散に駆け出し、丸太棒を抱えて一味の宴席に殴り込みました。泰三も山治老と共に馳けつけます。
津留と仲間の有助の知らせに、青年隊もやって来ました。
それから旬日後、明るい青空に天守を輝やかした若築城に長門守知宣が初のお国入りをしました。
城中大広間、居並ぶ家中一同の前で、知宣は泰助を城代家老に命じます。昼行燈に粗忽者、この若葉城の名物兄弟と千賀、津留の姉妹が結ばれるのも間近いでしょう。

暴れん坊兄弟 
(C)東映
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