1960(昭和35年)/6/7公開 54分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:11800
配給:東映 製作:東映
名調相模太郎の浪曲にのせて、義理と人情の江戸っ子長屋を背景に織り成す権三と助十の駕籠屋コンビが繰り広げる、てんやわんやの捕物騒ぎを喜劇的タッチで描きあげた浪曲映画の娯楽篇。
江戸下谷万年町のいろは長屋に住む権三と助十は仲良しのお江戸の人気者駕籠屋コンビ。ある日の麹町土手三番町で、ふと目に付いたつづらを家に持ち帰ったのが運の尽きで大事件に巻き込まれてしまった。つづらの中から出たのは、老人の死体。置き引きの罪で番所に引っ張られた権三と助十は、大岡越前守に仕える岡っ引きの喜三郎に油をしぼられた末に釈放されると、早速つづら殺人事件の犯人捜索に乗り出した。死体は、日本橋石町に刀屋を営む丹沢屋の主人・丹右衛門だと判明する。島津家の姫君が輿入れの際持参する伯耆安綱の名刀のつくりを納めに行く途中であり、その名刀も盗み去られていた。間もなく下手人が喜三郎によってあげられた。丹沢家の一人息子・丹七。芸者おとわを島津藩留守居役・加藤左太夫と争ったのが原因で今は勘当の身となり鳶頭の長右衛門宅に寄宿していた。それを知った権三と助十は、名奉行大岡越前守ともあろう人がとんでもない目違いをと、奉行所に駆け込んだが追い払われてまった。そんな二人の頭に浮んだのは、主人亡き後、大黒柱然と采配を振るっている丹沢屋の番頭・万兵衛。二人は妾宅で商売仇の三河屋伝兵衛と密談する万兵衛を突き止めるが、その万兵衛も妾宅帰りに伝兵衛にぐさり一突きされ殺されてしまう。二人が御注進とばかりに喜三郎の家に飛び込んだ時には、伝兵衛は行方をくらましていた…。