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天下の快男児 突進太郎

Man of The World Pt.2

1960(昭和35年)/7/13公開 87分 カラー シネマスコープ 映倫番号:11804 
配給:東映 製作:東映

好評を博した「天下の快男児・万年太郎」の姉妹篇。天衣無縫の武骨な青年・突進太郎が恋と陰謀とお色気の三つ巴の攻撃を浴びながら、若さ一杯にくりひろげる痛快青春行状記。

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ストーリー

世はまさに就職難時代。大学を出て三年目、その名も突進太郎という快青年は難関を見事突破して思いがけず就職試験に合格した。だがその就職先は何と女の下着を作るダイアナ下着株式会社。さて突進太郎というこの珍らしい名の青年、その名の如くの行動派で過去にはいくつかの会社にも勤めていたが、どれも性に合わないと田舎に帰って農業を手伝っていたという天衣無縫な性質。ところで太郎の就職合格の裏には、ややこしい話があったのである。
デザイナーの千秋が、不採用だった太郎の履歴書を間違って採用のほうへ入れてしまったのがそもそもの始まり。通知を受けた太郎は、意気揚々と初出勤。女社長・あぐりは、武骨な太郎を採用する気は毛頭なかったが、たまたま会社へゆすりに来ていた三文週刊誌記者をあっという間に投げ飛ばした太郎の腕力にほれ込み、採用を決定してしまった。二転三転、かくして突進太郎は、デザイナーとして、女性の下着と取り組む事になったのである。太郎が下宿する合気道々場の女師範・益代は、あぐりが日頃から親代りとも頼んでいる日邦化繊社長の土井をはじめ、多くの男の弟子を持っている美貌の女丈夫でどうやら太郎にホの字らしい。
さて太郎の出勤第一課は先ずセールスマン、だが張り切りすぎてお得意様の山下ヨシ女史のコルセットを締め過ぎて失神させたり、あぐりの母校・聖ヨハンナ学園ヘピンクのネグリジェを持ち込んで修道尼を怒らせる等々、あぐりをはじめ堀部営業部長の頭を抱えさせる成績だった。ところが、その失敗が幸運へと逆転、山下女史は男性的な太郎にすっかりほれ込み、太郎以外の男性には注文を出さぬと申し入れてきた。一方、聖ヨハンナ学園でも、太郎が見せたピンクのネグリジェが反響を呼び、白いネグリジェの強制反対、服装の自由を与えよと生徒たちがストを決行、学校側では仕方なく生徒の要求を入れ、ダイアナ下着に対して二千着の注文を申し入れてきた。太郎の面目躍如である。太郎の同期で秀才ぶりをふりまく荒井は、この太郎の大当りが面白くない。その反対に同期で気の弱い古川は、太郎に好意を寄せていた。あぐりの覚え目出度い太郎は、ある日釣友会レクレーションに誘われた。一行は二人のほかに、女社長あぐり、堀部営業部長と辻本に益代。堀部営業部長はあぐりと親同志が決めた婚約者であり、あぐりの太郎への好意が全然面白くない。あぐりは太郎を伴ってモーターボートを疾走させるが、エンジンが故障してストップしてしまい二人は網小屋で一夜を迎えてしまった。さあ大変、噂は噂を呼んで誤解は渦巻のように荒れ狂った。ひそかに、太郎を幕いはじめていた千秋の失望に堀部のヤキモチ。
堀部はダイアナ下着の専務である父の権力を楯として会社乗っ奪りの計画を企み、デザイナー・雪江の自分への愛情を利用して虎視眈々。あぐりもまたこの策動の中にあって負けてはならじと戦闘開始、先ず堀部との婚約を破棄し、味方と頼む太郎を自分の邸に下宿させた。モーターボート事件に加えてこの太郎の下宿移転は、いよいよ千秋や益代を激怒させてしまった。だが、太郎とあぐりの仲は、単なる社長と社員なのである。太郎の若い心の中には、千秋の面影が強烈な色彩で輝いていたのだ。丁度この頃、世界的なデザイナー・グリッフ女史が来日した。各下着会社が競ってグリッフ女史の独創的なデザインを頂こうと必死の契約合戦を展開、あぐりも太郎を力と頼んでグリッフ女史獲得に乗り出した。堀部一派の冷笑の中にかくて太郎は活躍開始、やっとの思いでグリッフ女史に面会した太郎は、何とそこでグリッフ女史の熱い吐息を浴びてびっくり仰天、グリッフは太郎に素晴らしいデザインを与えてくれたのだ。
突進太郎の名は一躍業界に轟いた。あぐりと太郎は、盛大な下着ショーの開催を企画。この成功を妬んだ堀部は、またもや悪計を練り、モデル嬢の下着を破く仕掛けを作るとショーを滅茶苦茶にしてしまう。あぐりは意気消沈、続いて開かれる水着ショーにすべてを賭けて、成功ならずば社長の席を退く決心までする悲憤な覚悟。ところがこの水着ショーの裏にも堀部一派の悪計がからみついていた。プールの水に薬品を入れてモデルたちの水着を縮ませようという企みだ。この計画を一派の荒井から聞いた千秋は、憤然として一切のからくりを太郎に急報する。すわっとばかり会場へ駈けつける太郎。愚連隊を従えた堀部一派と凄まじい乱闘が始まった。突進太郎一世一代の大暴れ、堀部一派はあえなくKOだ。戦い済んで、じっとみつめ合う太郎と千秋。二人は、お互いへの愛情を胸の中で噛みしめていた。
羽田空港は、日本晴れ、世界下着会議に日本代表として出席する突進太郎の旅立ちの日だ。千秋、あぐり、益代らに見送られて太郎は羽田を飛び発っていった。

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シリーズ

「太郎」シリーズ(4)

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