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危うし!快傑黒頭巾 

The Black Hooded Man in Peril

1960(昭和35年)/7/24公開 86分 カラー シネマスコープ 映倫番号:11840 
配給:東映 製作:東映

大友柳太朗が得意の二挺拳銃と数々の変化によって正義のために戦う大人気黒頭巾シリーズ。本作では、ゲーベル銃の密輸や領土割譲の密約をめぐって大活躍!

危うし!快傑黒頭巾 
(C)東映

ストーリー

快傑黒頭巾が乗り込んだ長崎は、三百年近くに渡り頑くなに鎖国を守り続けていた徳川幕府が、外回船の出入りを許していた唯一の港であり、それだけに勤王佐幕と風雲急を告げる幕末には、ここを舞台とする数々の陰謀が渦巻いていました。
その中で勤王派の長州藩が、当時最新の性能を持つゲーベル銃を密輸入したのです。
驚いた幕府が目付・松平主税介を急派したため、弾薬だけは長崎の町から持ち出せなくなりました。
しかも主税介は勤王派の力を抑えるため清国の力を借りようと、密使・王徳順を介して領土割譲の密約を結ぼうとしていました。
弾薬の運搬と国辱的な密約の阻止、この困難な仕事が黒頭巾の使命です。
お得意の変化によって、呼帆楼と云う異国情緒豊かな中国料亭に雇われている曲芸一座に身を隠す勤王の志士・榊原新之助と連絡がとれた時、新之助の父で長崎奉行である榊原若狭守が暗殺されました。
若狭守が売国的な主税介の行為に反対していたためで、黒頭巾はその犯人として新之助の妹・妙と弟・大次郎から仇と狙われる羽目になってしまったのです。
真鍋与作と名乗った黒頭巾は、新之助の紹介で座長の曹自忠やその妹で一座の花形の曹麗花をはじめ李彩玉、彩生姉妹たちと知り合いとなりました。
弾薬はこの呼帆楼の地下に隠されており、一座が巡業に出る時に持ち出す手筈となっていました。
しかし、その許可を得るには、麗花が王徳順の所へ行かなければならないのです。
と云うのは、座長・曹自忠とは清国政府を倒そうとした革命派の一人で国を追われており、このことを知る王徳順が美しい麗花に野心を抱いての難題で、主税介からも申し入れられていたのでした。
与作や新之助の止めるのを振り切って、唐人屋敷に向った麗花は、王徳順の毒牙にかかる寸前に黒頭巾に救われましたが、その際、与作と黒頭巾が同一人物と知って感謝の気持が激しい恋に変ります。
一座の乗る船・胡蝶丸は坂本竜馬と共に長崎へ入港して来ましたが、曹自忠は「王徳順殺し」の嫌疑で主税介に捕えられました。
麗花を救ったのが黒頭巾と知り、曹自忠を囮として黒頭巾をおびき寄せようと云うのですが、激しい拷問に耐えた後曹自忠は自から舌を喘み切ってしまいます。
思惑が外れた主税介は、一座に巡業を許して後を追う策を立てました。
これを知った黒頭巾は、兄の死を悲しむ麗花を慰さめ、憤る新之肋や一座の人々に出発の準備を急がせて単身白馬にまたがると奉行所の前で拳銃を乱射しました。
激しい警戒の眼をそらすためで、弾薬と一座は無事長崎を脱出しました。
伯耆の大山寺領に向った胡蝶丸を追って天命堂に扮した黒頭巾は陸路を急ぐ途中、自分を追っているという妙と大次郎姉弟や目明しの話を聞いて一行の危機を感じます。
米子沢に着いた麗花や新之助は、座員と共に弾薬を六合の馬車に積み大山寺領に向かいましたが、忽ち待ち受けていた主税介の率いる騎馬隊に包囲され乱射をうけます。その時、彼方の丘の上から颯爽と白馬にまたがった黒頭巾が現れて包囲陣形の中に馳け込んで来ました。
黒頭巾のニ挺拳銃が、主税介を食い止めている間に新之助たちは馬車を急がせましたが、その馬車に飛び乗った男がいます。
かねて麗花に想いを寄せていた劉子明で、麗花の心が黒頭巾に傾いたと知り一座を裏切ったのでした。
すかさず黒頭巾も麗花の馬車に飛び乗り、二人の間に激しい格闘が続くうち、からみ合ったまま断崖へと転落したのです。
頼みとする黒頭巾が生死不明となると、伯署藩の手勢と主税介の一隊が勝ち誇って馬車を囲みました。するとどうでしょう。崖から落ちたはずの劉子明が戻って来て主税介に拳銃を向けたのです。「人呼んで黒頭巾、実は薩州の山鹿弦一郎」凛とした声と共に、覆面の下から現れたのは黒頭巾その人でした。谷に落ちて気を失っていた所を愛馬に助けられたと云うのです。
黒頭巾は包囲の中から馬車隊を出発させ、妙・大次郎の父の仇・主税介を倒すと馬車隊に続き、吊橋を爆破して追手の道を断ち、遂に僧兵や浪士隊が迎える大山寺領に見事送り込むのでした。

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