1960(昭和35年)/8/14公開 88分 カラー シネマスコープ 映倫番号:11468
配給:東映 製作:東映
漫画界の巨星・手塚治虫の「ぼくの孫悟空」をベースに、若い芸術家たちのエネルギーが結集した痛快娯楽大作。
ストーリーボードを手塚治虫自身が陣頭に立って描き、現場のスタッフには、のちにわが国のアニメーション界を背負うことになる優秀な人材が大挙参加しているというのも見過ごせない。いわば日本のアニメーション映画の原点の一つである娯楽的側面からその将来を大きく展望させた記念碑的作品。
石の中から生まれた石猿は、持前の勇敢さを発揮して猿のボスになったが、何かもの足りない。この世の中には猿よりえらい人間というのがいるらしい。それならばと一念発起した石猿は、仙術の修行に出た。首尾よく仙人に弟子入りして修行に励み、極意書を授けられ、孫悟空と名乗るようになった。はるばる訪ねてきた幼馴染みのリンリンに仙術の腕を見せたくて、天界を騒がせて二郎真君に追われ、挙句の果ては、お釈迦さまに五行山に封じ込められてしまう。リンリンの運んでくれる木の実でわずかに露命をつなぐ悟空であったが、観音さまのはからいで、天竺に経文をとりに行く三蔵法師のお供をすることとなった。途中、ブタの化物・猪八戒、人喰いの沙悟浄を降参させて供に加えた一行は天竺へと砂漠を越えて旅をつづける。だが、火焔山まで来た一行を噴火による熔岩流が取り囲んでしまった…。