1960(昭和35年)/11/2公開 79分 カラー シネマスコープ 映倫番号:11956
配給:東映 製作:東映
大仏次郎の原作を映画化。革新の呼び声高き動乱の幕末を舞台に展開する、勤皇志士対新撰組の火花散る闘争。更に謎の新兵器を巡り巻き起こる波乱万丈の物語を描いた大作時代劇。
勤王倒幕ののろしが上がり、物情騒然の幕末の京。一夜西山あたりで轟音が起こり、人々を驚かせた。これを勤王薩長派の新式火薬とにらんだ京都所司代は、新撰組に事件の究明にあたらせたが核心が掴めない。事件の渦中にあって京に入った長州藩士・佐橋与四郎は、勤王浪人城戸重蔵宅に姿をかくし、三條大橋で乞食姿に身を変えた桂小五郎と共に勤王運動を続けるが、これにはスリの白河の仙太が一役買い、また仲間の天人のお玉も片棒をかついで佐橋に好意を寄せる。城戸の一人娘・夏絵は、美丈夫の桂が現れるたびに胸をときめかすが、城戸は新撰組の強迫により百両を受け取って勤皇派を裏切る。その手はじめとして清水の清雲寺に結集する勤皇派の情報を所司代に売った。その夜九ツ、桂、佐橋ら二十余名の志士は、所司代役人と新撰組の包囲に会い、激しい乱闘となって同志数名を失い初めて城戸の裏切りを知った。城戸は夏絵と共に所司代別邸にかくまわれたが、夏江の驚きと怒りは余りにも大きい。清雲寺から三条大橋と逃げのびた志士も新撰組の刃に倒れる。時にまた西山で大轟音。これは火薬研究家の森下大蔵と助手・氷川新三郎らが発明した強力新火薬である。年若い氷川は、火薬を倒幕に用いようとするが、研究一途の森下はそれを許さず、しびれをきらした氷川は、一日、山の研究室を抜け出して桂を訪ねて市中に入る。再度の爆発事件をまた勤皇派の仕業とにらんだ新撰組の圧力は厳しく、天人お玉から城戸の在り家を知らされた桂は、単身所司代別邸に忍び込んで城戸を斬ろうとするが、肉親の身をかばう夏絵の短銃の前に棒立ちとなる。一方、桂を尋ねて奔走する氷川は新撰組の網にかかり危機に立つが、通りあわせた佐橋の加勢を受けて死闘を続ける…。