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大いなる驀進 

Devotion to Railway

1960(昭和35年)/11/8公開 90分 カラー シネマスコープ 映倫番号:11987 
配給:東映 製作:東映

東京~長崎間を驀進する特急さくら号。美しき自然、猛烈な台風を窓外に見ながら、車内には様々な人間物語が展開する。国鉄開通八十八周年を記念して製作された感動大作。

大いなる驀進 
(C)東映

ストーリー

東京―長崎間を驀進する特急さくら号。この特急さくら号に乗車して物語を織りなす様々な人間像、それをまず御紹介する。専務車掌の松崎義人、列車給仕の矢島敏夫、食堂車のウェイトレス・松本芳子、そして彼らの同僚たち。さくら号に旅装を託す乗客たちは、九州遊説の某政党幹部とその秘書をはじめ、スリの名人・カメレオンの松、一見紳士風の殺し屋・時定と七郎、母親が危篤だという女中の山本年子、駆け落ちのアプレアベック、新婚旅行の若夫婦、財閥の炭坑主・吉田、プロ球団の選手など、まさに多種多様である。さて、ここにもう一人、列車給仕・矢島の恋人の望月君枝も慌しく列車に乗り込んだ。列車給仕などしていたらいつまでも結婚出来ないから、新しい職業を探すんだという矢島、そうした男の焦慮を懸命に止める君枝、驀進する列車の中で二人は激しく対立した。その二人の姿に複雑な視線を投げつけるウェイトレスの芳子、彼女もまた矢島を秘かに想っている。特急さくら号は、こうした物語の発端をのぞかせながら夕映えの富士川鉄橋を通過していった。車内巡視に廻った矢島は、乗客の時定から殺人犯の同乗を密告される。難なく犯人・七郎は静岡駅で逮捕されたが、不吉な予感はなぜか敏夫の頭から消えない。名古屋を過ぎて京都近くで車内に盗難事件が発生した。政党幹部の白金の懐中時計が盗まれたというのである。どうやらカメレオンの松の仕業らしい。二十三時四十八分、列車は大阪駅に到着。プロ球団の選手たちは、ここで賑やかに下車した。それと入れ替わるようにO医大の看護婦・森原数子が長崎医大に届けるという血清を抱いて乗車、更にもう一人、サブという青年殺し屋が人眼をさけるように乗車した。加えて、さくら号の発車間際、風速40mという台風襲来のニュースが警告される。やがて凄まじい豪雨がやってきた。さくら号は不気味な驀進を続けたが、折も折、一号車の乗客で炭坑主の吉田が自殺を計った。事業不振が原因らしいが、岡山駅から駆けつけた医師の手当てによりどうやら生命は救われる。台風は遂に瀬戸内海沿岸に上陸した。暴風雨をついて驀進するさくら号、専務車掌の松崎が前方の崖崩れを発見した。急停車する列車に騒然とする車内で松崎は乗客をなだめるとシャベルを抱えて風雨の中に飛び出した。乗務員もそれに続く。だが矢島はその感動の中に素直に飛び込んではゆけない。半ばふてくされた若者の感情が矢島を縛っていた。松崎はそんな矢島を激しく殴打した。稲妻、雷鳴、轟然たる風と雨、必死となって崖崩れに埋もれた鉄路を救わんとする尊い人々の姿を凝視して、矢島の胸底にも忘れていた感動が蘇った。彼は泣きながらシャベルを掴んだ。その矢島を追うようにして君枝も、そして芳子や数子までもが鉄路の泥を除こう闘った。風と土に挑んでどれだけの時間が過ぎたであろうか、鉄路はやがて白く光って復旧した。再び驀進するさくら号、矢島の顔が明るく君枝を見返した。列車は徳山駅に入った。ここで駆け落ちのアベックが降りた。プラットホームに迎え出た兄らしい男に激しく叱咤されている駆け落ちの男女―。列車は一路下関へと向かった。この下関で、また事件が起きた。殺し屋・時定が、同業の殺し屋サブにめった斬りにされたのである。サブは逮捕された七郎の復讐を果たしたらしい。走る車窓は関門トンネルを迎え、やがて博多に着いた。終着駅長崎はもうすぐである。カメレオンの松が、台風と闘った鉄道員の美しい姿にふれて、悪より目ざめた。君枝はとうとう長崎まで来てしまったが、それでも矢島に鉄道員としての誇りを自覚させたことがたまらなく嬉しかった。松崎が二人の仲人をするという。特急さくら号は二人の前途を祝福するかのように終着駅長崎にすべり込んだ。

大いなる驀進 
(C)東映
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