1960(昭和35年)/11/16公開 83分 カラー シネマスコープ 映倫番号:11957
配給:東映 製作:東映
大仏次郎の原作を映画化。革新の呼び声高き動乱の幕末を舞台に展開する、勤皇志士対新撰組の火花散る闘争。更に謎の新兵器を巡り巻き起こる波乱万丈の物語を描いた大作時代劇の完結篇。
夏絵の捨身の短銃には桂も勝てず、所司代役人の渦を縫って表へ飛び出した。一方、氷川は佐橋の豪剣に救われ、新式火薬の件を打ち明けるが、森下との師弟の立場を諭され、研究室での再会を約束して山に帰る。そこには森下の一人娘・お君が待ち受けていた。幕府に捕らわれて命を落とした父の恨みを晴らそうと志してきた氷川も、彼女の思慕をふりきることは出来なかった。
その後、佐橋は仙太とお玉の活躍で、与力格に出世した城戸の駕籠を見つけて一刀のもとに斬り捨てる。城戸の留守中、夏絵は好色無比の新撰組隊士・沖田総司に襲われようとし、さらに父の惨死を知った。相手が恋しい桂だと聞かされた彼女はあまりのことに呆然となるが、たまたまお玉から父を斬ったのは佐橋だと知らされてホッとする。
そのころ桂は、新火薬を譲り受けるため単身西山に登っていったが、新撰組に追われる破目となる。山峡の村は、新撰組の出現で混乱を呈し、桂を捕らえるため家屋捜査が一斉に行われた。遂に新撰組と対決した桂は、激闘の末に追いつめられて崖下に飛び込み激流に流されるが、偶然にも岸に居あわした氷川に救われた。氷川に初めて名を明かした桂は、研究室に案内され森下と対面する。勤王運動のため新火薬を求めてきた桂も、力をもって幕府を倒すことを森下にいましめられ新生日本の暁に森下を迎えることを約束する。二人の前にいつの間にか新撰組が姿を見せた。森下をかばい、隊長・近藤勇と対峙する桂小五郎と氷川新三郎。そこへ佐橋と仙太、お玉、更に勤王に目ざめたスリ仲間十数人もかけつける。だが森下は、研究室の新火薬が新撰組に奪われることを恐れて、導火線に火をつけた。轟然たる爆音と閃光、その光で桂を追って麓までかけつけた夏絵の姿が浮かび出る。新しい日本は地雷火の黒煙が去ると共に誕生することだろう。