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元和九年正月元旦。江戸城では華やかな祝典が催される中、突如大事件が持ち上がる。秀忠の嫡子で次代将軍の家光が毒殺されかかったのだ。その元凶は、家光の弟・忠長を偏愛する北の方と本多上野介らの企みだった。これを憂慮した大久保彦左衛門が対策を練っていると大久保邸に新年の挨拶にやってきた彦左の自称一の子分・魚屋の一心太助を見てビックリ。正装した太助は、家光とウリ二つだったのだ。すると彦左は、家光と太助の身分を入れ替えるというアイデアを思い浮かぶ。そして、二人が頭がおかしくなったということにして、姿を入れ替えることに成功する。太助となった家光が、長屋に戻ると皆しょげかえっており、魚河岸に顔を出せば、みんなの悲しげな顔々々。一方、江戸城に入り込んだ家光に扮した太助は、かっての違いからそのトンチンカンぶりは相当のもの。そして、夜ともなれば、家光の恋人・お楽が変わり果てた家光さまよと泣きつくので散々。家光は家光で、夜中にお楽の名を呼んでお仲にどやされる始末。さて、家光が気狂いになったと思いこんだ本多一味は、なんとか家光を追い落とそうとするも、太助と家光の絶妙な入れ替わりで、事はうまくいかず、ますます焦り立つ。そんな中、家光に扮する太助は忠長に呼び出され、逆心のないことを訴えられる。忠長が本多一派の陰謀を表沙汰に出来ないのは、一味の中に母・北の方がいたからだった。兄を思う忠長の真情に触れた太助は、身分を打ち明け、忠長を連れて彦左邸にすっとび家光と会わせた。家光と忠長が初めてお互いの気持ちを知り、手を取り合う中、家光が太助に化けて、彦左邸にいることを知った本多一派の暗殺団がなだれこんでくる。大乱斗もなんのその、見事返り討ちにし、遂に禍の後を絶った。果たして、元和九年六月、将軍秀忠は家光に将軍職を譲るため、上洛したのだった…。

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