1961(昭和36年)/8/9公開 59分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:12465
配給:東映 製作:東映
南蛮渡りの商品で江戸娘をときめかす装飾屋の番頭が殺されます。凶器は西洋の長剣です。ご存じ人形佐七の八面六臂の活躍は、海賊残党の物凄い仲間割れの深層を抉り出します。
番頭の常十郎が殺された。場所は江戸の婦女子に人気の内海屋の南蛮渡りの道具類が詰まった倉庫で、凶器は西洋の長剣だ。折りよく、お照と共に買い物に来ていた人形町の佐七は、現場を見ると「ふうんこれは凄え力持ちか、それとも?」と首をひねる。その現場からそそくさとして去った若い浪人の後を、佐七の腰巾着の辰五郎が尾行したが、途中でまかれてしまう。内海屋を見張り中の佐七が帰宅すると、一人の男が訪ね、例の浪人の使いだ、といって金包みを出し穏便にと持ちかける。「やっぱり浪人者が親玉だ」と意気込む辰五郎を制して、佐七は思案にふける。ある日、佐七は、直乃進、千鶴の兄妹から貴重な情報を得た。某藩の舟奉行をしていた直乃進の父が、三年前に密輸品を載せて帰る途中、海賊に襲われ銛で刺殺され、その品物が内海屋で売られているらしい。品物が密輸品だけに、直乃進らは手が出せないということなのだ。兄妹は父に刺さっていた鯨捕りの銛の穂先を佐七に見せた。そこに唸りを生じた銛が襲った。間一髪身を交わした佐七は二つ銛を見比べ、何事かうなづく。与力神崎と相談した佐七は内海屋の取調べを決意するが、その内海屋庄兵衛は倉庫の中で常十郎と同様、長剣で殺害される。異国の鎧や、道具類の中で絶命した庄兵衛の死体の前に、犯人達は事の成就を喜び合っている。と、並べられている奇怪な様相の鉄仮面の目が光り甲冑が音を立てた・・・・・