1961(昭和36年)/10/25公開 82分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:12579
配給:東映 製作:東映
港の暗黒街に兄の仇を求める男が、堅気な生活を自ら捨てて敢然と仇に立ち向かい、復讐の執念に取り付かれる胸を打つ兄弟愛、女医との純愛を織り込んで不気味な港町に展開する鮮烈なアクションドラマ。
P興業と海民クラブという2つのギャング団が対立する、横浜の暗黒街。ある日P興業の島社長が乾分たちと共に、海民グラブの大橋社長が乗る車を襲撃、麻薬入りトランクを強奪した。ちょうどその日は島社長の誕生日。東京から恋人と共にやってきた弟の健次は、兄に薬剤師の試験に合格したことを報告し、恋人・康子と結婚すると宣言。島は何よりの誕生日祝いと喜んだ。だが、兄の乾分の松野から謎の薬の分析を依頼され、後日それがヘロインだと判明した。健次は警察に連行され、島の正体が麻薬を扱う暴力団であったことを知る。釈放された健次は康子に別れを告げ、兄への復讐を誓いヤクザに身をやつしていく。―それから一年。高飛びした兄の代わりにP興業の社長代理となっていた健次は、康子と久々に再会する。ヤクザ社会に嫌気が差していた健次は康子にせがまれ、兄が帰ってきたら堅気に戻る決心を告げる。だが、兄の手紙を持ってシンガポールからやってきた高岡という男こそ、シンガポールで兄を殺した男ではないかという疑惑が上がってきた。海民クラブも再びP興業のシマを狙い、健次の想いとは裏腹に、事態は風雲急を告げていく。