1962(昭和37年)/1/23公開 88分 カラー シネマスコープ 映倫番号:12683
配給:東映 製作:東映
シリーズ第29話。昔の抜荷仲間がそれぞれ豪商となりながら、財力への執着から怖るべき殺人を引き起し、珊瑚輝く豪華な屋敷に、退屈男の諸羽流青眼崩しが一刀両断するという物語。
鉄砲玉の勘吉は、船宿「川万」の娘・お良の踊りを退屈そうに眺める旗本早乙女主水之介を誘い出した。馴染みの芸者・染奴がお染と名をかえて一杯飲み屋を開いたというのである。その数日後、勘吉がお染が何者かに拐かされたと飛び込んできた。退屈の虫ばらいと主水之介も乗り出してみた。小姓の京弥の調べだと、日頃お染を狙っていたらしい地廻りの鬼鮫一家は関係がないようだ。勘吉もあちこち飛び廻り、その結果、お染のひいき筋であった大富豪、廻船問屋の平戸屋の主人・六右衛門も失踪していることがわかった。お良の親友である平戸屋の娘・おしまの嘆きもよそに、六右衛門はお染と抱き合い心中をしていた。江戸一番の大金持ちと飲み屋の女将が…主水之介の眼が光った。傷心のおしまを慰める顔ぶれのうち、穀物商の十文字屋銅右衛門、油問屋の西海屋市兵衛、平戸屋の大番頭・清兵衛らの顔があった。だが葬式が済んだ途端、十文字屋と西海屋は平戸屋の倉庫から荷物を出したという。不審気な主水之介は、吉原の揚げ屋で、十文字屋、西海屋、清兵衛らに出会う。六、七十万両はあるという莫大な遺産が臭い。何か大きな企みがあるのではないか…。
「旗本退屈男」シリーズ(20)