1962(昭和37年)/2/28公開 91分 カラー シネマスコープ 映倫番号:12737
配給:東映 製作:東映
島原七万石のお世継ぎをめぐる黒い影を追い、父を裁いてまで大義を貫き、無責任な時の権力機構に挑む江戸っ子判官・遠山金四郎の活躍を、多彩なキャストと痛快無類なストーリーで描いたシリーズ第10作。
その日、帰宅した北町奉行・遠山金四郎は、屋敷の前で不思議な殺気を感じさせる虚無僧に出会った。屋敷に入ると父・景晋が朱に染まって倒れていた。幸い急所ははずれ一命を取りとめたが、「わしは幽霊に斬られたのだ」というのみであった。その後、金四郎は書庫の中から長崎奉行を務めていた頃の父の日誌を見つけ、当時父が仲間の茂平次に何事かを口止めして暇を出していたことを知った。茂平次の実家を訪ねた町人姿の金四郎。だが茂平次は大金を手にしたことからグレてしまい、山谷あたりをうろついていることを聞いた。山谷に現れた金四郎は、土地を仕切る五郎吉一家にからまれている娘・弥生を救った。金四郎のケタはずれの腕に惚れた五郎吉は子分になり、茂平次の捜索に力を貸すと誓う。そして茂平次が出入りしていた舟博奕をかぎつけた。だが金四郎たちが出向いた時、すでに茂平次は何者かによって殺されたいた。三下の口から虚無僧に連れ出されたことを知った金四郎の耳に尺八の音が聞えてきた。その音を辿った金四郎は、川原で求める相手に出会う。金四郎の名を知るこの相手が妖剣を振りかざした時、「兄上様!」と飛び出してきたのは、なんと弥生だった…。