1962(昭和37年)/4/24公開 77分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:12779
配給:東映 製作:東映
日光の宿に顔を利かせる多九蔵一家は、百姓の兄妹から奉納馬を奪って二荒神社の利権を得ようとするが、一本どっこの旅鴉、榛名の佐太郎が救い神として現われ、大暴れする。
「榛名の佐太郎、人呼んで向こう見ずの佐太郎とは、あっしのことで御座んす。」胸のすくような啖呵と道中合羽に三度笠、天六寸の鉄輪づくりの落し差し、日光街道に流れ着いた佐太郎は、何者かに追われるお君と出会う。お君は、つい先程、二荒神社に奉納する白馬“白雪”を引いて兄の幸吉とこの街道を急いでいたのだが、曲者に襲われ、白雪はおろか幸吉とも離れ離れになった身の上だった。佐太郎は、とりあえずお君を街道を往来する女馬子・おみよに預け、幸吉を探すため日光の宿へ急ぐが、宿場に幸吉は見当たらず、宿場を根城とする銀次、紋太、八海坊、山海坊に幸吉を探してくれるよう頼み、おみよの家に戻る。その頃、荒神一家では、多九蔵親分の前に一頭の白馬が繋がれ、二荒神社の神主を囲み、盛大な酒盛りが行われていたのだった。翌朝、荒神一家の身内であるおみよの兄・伊之吉がひょっこりおみよを訪ねて帰って来たところ、見知らぬ客人、佐太郎の素性を聞き、目の色を変えた。一方、幸吉の足取りを追う佐太郎は、荒神一家の子分衆に取り囲まれ、不意打ちをくらう。佐太郎は、刃を潜り抜け、おみよの家に急いで戻ってみると、お君の姿は見当たらず、そこには、幸吉と、幸吉を救った踊り子のお園が突っ立っていた。幸吉は佐太郎の顔を見るなり「妹を返してくれ!」とつめよるが、お君は荒神一家に連れ去られ、料亭はんげつにいることが発覚した…。